神山征二郎

神山征二郎について

神山征二郎（こうやま せいじろう、1941年7月16日生まれ）は、日本の映画監督および脚本家であり、岐阜県岐阜市中西郷で生まれました。彼は、社会派映画の作家として認められ、多様なジャンルの作品を手掛けています。彼は岐阜県立岐阜北高等学校在学中に画家を目指しましたが、映画の世界に進むことを決意しました。

経歴

神山は日本大学芸術学部映画学科で学び、演劇に魅了されました。しかし、1964年、在学中に肋膜炎を患い、大学を中退して故郷に戻りました。その後、回復すると再び上京し、映画芸術誌の編集部でアルバイトをしながら、1965年に新藤兼人監督の近代映画協会に参加しました。ここでの経験を通じ、彼は新藤兼人や吉村公三郎、今井正といった著名な監督たちの下で助手として働くことになりました。

1971年、彼は『鯉のいる村』で監督デビューし、この作品は全国労映賞を受賞しました。1975年には『八甲田山』でチーフ助監督を務め、以降も数々の作品を手がけました。彼の作品には、1976年に日本映画監督協会新人奨励賞を受賞した『二つのハーモニカ』や、1980年に文化庁優秀映画奨励金を受けた『看護婦のオヤジがんばる』などがあります。

1981年にはフリーランスとして『日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章』に関与し、同年に「こぶしプロ」を設立しました。1983年に公開された『ふるさと』は、国内外で高い評価を受け、多数の賞を受賞しました。この作品によって、彼はモスクワ映画祭で主演男優賞を受賞した加藤嘉や、全国映連賞での最優秀監督賞を獲得しました。さらに、1986年には『春駒のうた』がタシケント映画祭で最優秀作品賞を受賞しました。

1987年には『ハチ公物語』で山路ふみ子映画賞を獲得し、その後は多くのヒット作を生み出しました。1988年には自身のプロダクション「神山プロダクション」を設立。続いて1990年の『白い手』は日刊スポーツ映画大賞監督賞を受賞し、評価を確立しました。

彼の名作には、『遠き落日』『月光の夏』『郡上一揆』『大河の一滴』『草の乱』などがあります。2001年には、時代と地域を見据えた映画製作に対する評価として第54回中日文化賞を授与されました。さらに、彼は『学校をつくろう』『救いたい』『時の行路』などを手がけ、現在も精力的に活動を続けています。

人物

神山は社会派映画作家として、新藤兼人、今井正、吉村公三郎の流れを汲む正統派として知られています。しかし、時代の変化により、彼の作品は師匠たちほどの評価を受けることはなかったといいます。『ハチ公物語』が大ヒットした際、彼は批評家から冷遇されたことに失望し、その苦悩は後にアメリカ版リメイクでの成功につながりました。

代表的な作品

彼の作品は非常に多岐にわたります。代表的な監督作品は以下の通りです。

• - 『鯉のいる村』（1971年）
• - 『八甲田山』（1975年、助監督）
• - 『ふるさと』（1983年）
• - 『ハチ公物語』（1987年）
• - 『白い手』（1990年）
• - 『草の乱』（2004年）
• - 『学校をつくろう』（2011年）
• - 『時の行路』（2020年）

脚本と著書

他にも彼は脚本家としても活躍しており、『赤毛のアン』『トム・ソーヤーの冒険』『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』などが挙げられます。また、自伝として『生まれたら戦争だった。 映画監督神山征二郎・自伝』を刊行し、自身の経験や思いを綴っています。

神山征二郎は、映画を通じて人々に感動やメッセージを伝えることを使命として、今後も日本映画界における重要な存在であり続けるでしょう。

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