北部内陸線

北部内陸線（恵山満浦青年線）

北部内陸線、別名恵山満浦青年線は、朝鮮民主主義人民共和国の慈江道満浦市に位置する満浦青年駅から、両江道恵山市にある恵山青年駅を結ぶ鉄道路線です。この路線は、平羅線や青年伊川線と同様に北朝鮮の重要な東西横断路線の一つです。

路線の重要性と軍事的側面

北部内陸線は、北朝鮮が独自に手がけた鉄道建設プロジェクトとしては最大規模であり、多くの部分が中朝国境に沿って敷設されています。この状況から、沿線には朝鮮人民軍のミサイル基地が複数存在し、KN-23などの鉄道発射型弾道ミサイルが運用される可能性があるとの情報があります。この路線は、米韓の情報機関による注目の対象にもなっており、特に2011年から2017年にかけて行われた全面改修工事は、軍事目的での利用をよりスムーズにするためのものではないかとの指摘がなされています。

歴史的背景

北部内陸線の建設は1980年に始まり、様々な段階を経て発展してきました。開通初期の1987年には、雲峰駅から慈城駅および厚州青年駅から恵山青年駅までの区間が開業しました。1988年には全線が開通し、その後1993年には全線が電化されました。

2011年には、路線のトンネル内で発生した事故が報告されるなど、大きな事件もありましたが、長期的には2017年に全面改修工事が完了し、現在も路線の利用が続いています。しかし、2024年には集中豪雨による土砂流入の影響を受け、全線が不通となり、復旧の目処が立っていない状況です。

現在の運行状況

2002年時点では、西平壌から満浦青年経由で恵山青年までを結ぶ急行列車が運行されていました。しかし、実際の運行頻度は時刻表上の予定よりも減少し、2024年に入ると週に1便しか運行されていないとの報告があります。また、満浦市内では通学列車が運行されているものの、全体的な利用状況は芳しくありません。

貨物輸送も行われており、特に雲峰地域で生産される丸太の輸送が目立っています。これにより、地域の経済活動に寄与していますが、全体的な鉄道の運行は厳しい環境にあります。

駅と廃止区間

この路線にはいくつかの主要な駅がありますが、過去には松田駅や水遮駅、三水青年駅などが廃止されました。これらの駅は両江道に位置しており、かつては多くの利用者がありました。現在でも多くの地域で利用されている駅が存在し、路線の重要性を物語っています。

北部内陸線は、北朝鮮の鉄道網の中で特に注目される存在であり、その歴史と現状は、国の交通インフラや軍事戦略に密接に関連しています。

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