北野タダオ

北野タダオの生涯と音楽活動

北野タダオ（きたの タダオ、本名：北野董郎）は、1934年3月3日に和歌山市に生まれ、2018年10月3日に神戸市で passing away した日本のジャズピアニストです。彼の音楽キャリアは彼の独学でのピアノ学習から始まりました。中学校時代からピアノに親しみ、17歳でドラムの猪俣猛やサックスの津田清と共にトリオを結成し、アメリカ軍キャンプでのジャズ演奏に挑戦しました。

高等学校卒業後、北野は関西学院大学に進学しますが、彼の本業はジャズ音楽の世界にありました。大学卒業後も関西を拠点に活動を続け、1958年には大阪のナイトクラブ「アロー」において「北野タダオとアロージャズオーケストラ」という専属バンドを結成します。このバンドは、関西屈指のビッグバンドとして、名だたるジャズミュージシャンたちとの共演や3000曲を超えるジャズのアレンジを手掛け、更なる名声を得ることになります。

特に彼の手がけた美空ひばりの「リンゴ追分」のジャズアレンジは、アロージャズオーケストラとのセッションが大きな話題となり、ジャズとポピュラー音楽の橋渡しをする重要な作品となりました。尽きることのない音楽への情熱を抱き続け、ラウンドに演奏するジャムセッションやライブパフォーマンスは多くのファンを魅了しました。

1971年にクラブ・アローが閉店した後もアロージャズオーケストラの活動は続き、1992年には「AJOミュージックスクール」を開校、2004年には自主運営のジャズクラブ「ライブスポット・アロー」を設立しました。このようにして後進の育成とジャズの普及に尽力しました。

また、アルバム制作や全国各地での定期演奏会を通じて、ジャズの魅力を広める努力を重ねました。他にも、ウェストコーストスタイルのジャズを探求するユニット「北野タダオとグレイビー・エイト」を結成し、多様なスタイルの音楽を追求しました。

2008年にはアロージャズオーケストラの結成50周年を迎え、これを機に現役のピアニストとしての活動を引退、その後はトロンボーン奏者の宗清洋に後継者としてバトンを託しました。引退後もアロージャズオーケストラの相談役として後進の指導に努め、新たな才能を発掘する努力を続けました。

北野は晩年にパーキンソン病に苦しむことになりますが、音楽への情熱を挫けることなく、著作や講演を通じてジャズの魅力を伝え続けました。しかし、2018年に肺炎のため、神戸市の病院で亡くなりました。享年は84歳でした。

北野タダオの遺した音楽的遺産は、彼の音楽への情熱、創造性、後進への深い思い入れから成り立っており、今もなお多くの人々に影響を与えていることは間違いありません。

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