北陸学院幼稚園

北陸学院幼稚園

石川県金沢市三小牛町および野々市市に所在する北陸学院幼稚園は、アメリカ合衆国から派遣された宣教師によって創設された、日本の私立幼稚園の中でも特に長い歴史を持つ学園です。現在、金沢市に位置する第一幼稚園と、野々市市にある扇が丘幼稚園の二つの園舎で運営されています。

概要

北陸学院幼稚園の基礎を築いたのは、アメリカ人宣教師フランシナ・E・ポートルです。彼女の尽力により、幼児教育の場が設けられました。学園は長い歴史の中で複数の園舎を展開してきましたが、現在は前述の通り第一幼稚園と扇が丘幼稚園が活動の中心となっています。過去には、彦三幼稚園や、トマス・ウィンが設計し居住した由緒ある建物を園舎として使用していたウィン幼稚園（旧称第二幼稚園）も存在しました。

特筆すべきは、北陸学院第一幼稚園が、日本国内に現存する私立幼稚園の中で最も古い歴史を持っているという点です。また、扇が丘幼稚園は広々とした敷地を有し、特徴的な丸いドーム型の建物がランドマークとなっています。

沿革

北陸学院幼稚園の歴史は、1884年に遡ります。この年、アメリカ人宣教師メリー・K・ヘッセルが金沢の地に私塾を開設したことが始まりです。翌1885年にはヘッセルによって金沢女学校が創立され、さらに1886年にはヘッセルとフランシナ・E・ポートルの協同により、英和幼稚園が設立されました。これが現在の北陸学院幼稚園の前身にあたります。

その後、時代とともに学園の名称や組織は変化していきました。1900年には金沢女学校が北陸女学校と改称され、1912年には英和幼稚園も北陸女学校附属幼稚園となりました。戦後の1948年には財団法人北陸学院が設立され、附属幼稚園は北陸学院幼稚園と改称。1953年には北陸学院保育短期大学が開学し、幼稚園は短期大学附属第一幼稚園（現在の第一幼稚園）として位置づけられると共に、第二幼稚園（ウィン館）が開園しました。翌1954年には彦三幼稚園も開設されるなど、規模を拡大しました。

1977年には、金沢工業大学附属扇が丘幼稚園の移管を受け、現在の扇が丘幼稚園が野々市町（当時）に開園しました。

平成に入り、再編が進みます。1992年には彦三幼稚園が閉園し、第一幼稚園は現在の金沢市三小牛町へ移転。1993年には第二幼稚園が短期大学附属ウィン幼稚園と名称を変更しました。しかし、2007年にはウィン幼稚園が短期大学附属第一幼稚園に統合されることとなりました。

現在の名称である北陸学院第一幼稚園および北陸学院扇が丘幼稚園となったのは2008年です。長年にわたり、石川県の幼児教育に貢献してきた両園ですが、2026年には統合が予定されており、新たな歴史の一歩を踏み出すことになります。

教育目標

北陸学院幼稚園では、キリスト教の精神を教育の基盤としています。幼児期の子供たちの心と体の健やかな成長発達を願い、神様から与えられた一人ひとりの個性を尊重し、感謝する心、思いやりの心、そして共に生きる力を育む人格形成を目指しています。日々の保育や様々な園の行事を通して、豊かな人間性の土台を培っています。

交通アクセス

* 第一幼稚園: 金沢駅より北鉄バス（北陸学院大学行き）に乗車し、「北陸学院大学」バス停で下車。

このように、北陸学院幼稚園は、その創設から130年以上の時を経て、石川県の幼児教育において重要な役割を果たし続けています。歴史と伝統を大切にしながらも、時代に合わせた教育の実践と、将来に向けた統合計画を進めています。

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