北陸鉄道山代線

山代線の概要

山代線（やましろせん）は、石川県に存在した鉄道路線で、河南駅から新動橋駅までを結んでいました。この路線は、地元の温泉旅館経営者たちの協力によって始まった馬車鉄道にルーツを持っており、その後、温泉電軌を経て北陸鉄道に吸収されました。

歴史的背景

山代温泉の旅館経営者たちは、温泉地へのアクセスを向上させるため、1906年に山代軌道を設立しました。最初の営業は1911年3月5日で、山代村（後の山代東口駅）と動橋村（後の新動橋駅）の間が開通しました。この際の軌間は914mmでしたが、1915年には宇和野駅から新動橋駅間が電化・改軌され、より効率的な運行が可能となりました。

1913年には、温泉電軌として運営されるようになり、1914年10月1日には河南駅から山代東口駅までが電動の列車で運行されるようになりました。これにより、観光客の利便性が大きく向上しました。

路線の変遷

1943年、山代線は戦時統合により北陸鉄道の一部となり、1963年には宇和野駅から新動橋駅、および河南駅から宇和野駅までの区間が統合され、再び山代線として改称されました。その後、1971年に全線が廃止され、歴史の中で重要な役割を果たしてきたこの路線は幕を閉じました。

路線データ

• - 営業距離: 6.3km
• - 軌間: 1067mm
• - 駅数: 7駅（始発駅と終着駅を含む）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: 全線

駅の一覧

廃止時点における駅名とその所在地は以下の通りです。すべての駅が石川県に位置していました。

並び順の凡例

• - ◇: 列車交換可
• - ｜: 列車交換不可

1. 河南駅
2. 山代東口駅
3. 宇和野駅
4. 新動橋駅
5. など

関連文献

• - 山本宏之『温泉電軌車両史』など、様々な鉄道関連の資料が山代線の成り立ちやその性格を詳述しています。
• - 渡辺均「温泉電軌の成立とその性格」も参考になります。

最後に

山代線は多くの観光客に愛された路線でしたが、時代の流れとともにその役割を終えました。廃線になった現在でも、その歴史を記憶に留めることは地域の文化を守る上で重要です。

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