匠の蔵

「匠の蔵」（たくみのくら）

「匠の蔵」は、九州・沖縄地方を放送エリアとするFNS系列局（テレビ）およびFMQリーグ加盟局とFM沖縄（ラジオ）で放送されているミニ番組シリーズです。焼酎メーカーである霧島酒造が一貫して提供しており、地域の様々な分野で活躍する人々「匠」に焦点を当てたドキュメンタリー番組として親しまれています。

番組のテーマと内容

この番組が「匠」と呼ぶのは、特定の分野で卓越した技術や知識を持つ人々、誰も歩んだことのない道を切り拓いた挑戦者、あるいは周囲に良い影響を与え、新たな価値を生み出す人々です。取り上げるテーマは多岐にわたり、九州・沖縄の豊かな食文化、長い歴史を持つ伝統工芸、地域固有の文化など、それぞれの分野で「匠」と呼ばれる人々の仕事ぶりや人生観、そしてその知恵や哲学を丁寧に紐解いていきます。番組を通して、見る人や聞く人は、地域に根ざした「匠」たちの情熱やこだわり、そして彼らが未来へ繋げようとする思いに触れることができます。

番組の歴史と変遷

「匠の蔵」シリーズは、まずラジオ番組として始まりました。2004年4月24日に「匠の蔵〜Words of meister」のタイトルで放送を開始し、以来、九州・沖縄のリスナーに「匠」たちの言葉を届けてきました。このラジオ版は2016年9月まで同タイトルで放送が続きました。

その後、2016年10月2日からはテレビ版の放送がスタート。同時に、ラジオ版もテレビ版と共通の「匠の蔵 -創る人、聞く人、発する人-」というタイトルに変更されました。テレビとラジオの両媒体で「匠」の物語を発信する形へと発展したのです。

しかし、2020年6月27日をもって、一旦番組の放送は中断されることになります。

約2年間の休止期間を経て、2022年4月2日に番組は再スタートを切りました。この再開にあたり、出演者は変更せず、タイトルを新たに「匠の蔵 HISTORY OF MEISTER」と改め、再び九州・沖縄の「匠」たちの歴史や物語を掘り下げていく形式となりました。

さらに、2025年4月からは一部のテレビ局で放送時間の変更が予定されています。フジテレビ系列の報道番組「Mr.サンデー」の放送枠拡大に伴い、テレビ西日本、サガテレビ、テレビ長崎、テレビ熊本、沖縄テレビ放送の5局では、これまでの放送時間から21時47分から21時50分までの時間帯へと変更されます。その他の系列局では変更なく放送が続けられます。

出演者

番組には、テレビ版とラジオ版それぞれに個性豊かな出演者が参加しています。

テレビ版:
俵 万智（俳人・旅人）：匠を訪ねる旅人として出演。
ジョン・カビラ（ナレーション・提供読み）：番組のナレーションと提供読みを担当し、深みのある声で物語を彩ります。

ラジオ版:
俵 万智
山下 晶（「花村勇作」名義で出演）
* 酒瀬川 真世（「成瀬薫」名義で出演）：山下氏と酒瀬川氏は、番組内でそれぞれ異なる名義で出演しています。

テーマ音楽

番組のテーマ音楽は、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎氏が手掛けており、番組の世界観を盛り上げています。

放送体制

テレビ版はテレビ西日本が制作を担当し、FNS九州沖縄ブロックの8局ネットで放送されています。一方、ラジオ版はFM福岡がキーステーションとなり、FMQリーグ加盟各局（ただしFM山口を除く）およびFM沖縄で放送されています。これらのラジオ放送は、radiko.jpやradikoプレミアムを利用することで、スマートフォンやパソコンからも聴取可能です。

「匠の蔵」は、地域に息づく文化や技術を継承し、新たな価値を生み出す人々に光を当てることで、九州・沖縄の多様性と奥深さを描き出している番組シリーズと言えるでしょう。

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