区界峠

区界峠（くざかいとうげ）

区界峠は、岩手県盛岡市と宮古市を結ぶ自然の美しい峠です。その標高は751メートルで、北上山地の兜明神獄の西側に位置し、簗川と閉伊川の分水嶺となっています。この場所は、かつて盛岡藩の時代に開かれた宮古街道に沿っており、現在は国道106号がその経路を引き継いでいます。

交通の変遷

1975年に開通した区界トンネルを通じて、国道106号は峠を通過しています。このトンネルは地元の重要な交通路であり、標高約730メートルの地点に位置し、国道106号の最高地点でもあります。トンネルの長さは271メートルで、幅は6.0メートル、高さは4.6メートルで設計されています。しかし、歩道の幅は1メートル未満と狭く、通行には注意が必要です。

トンネルの東口付近には、盛岡市と宮古市の境界があり、また約300メートルにわたるスノーシェルターが続いています。これは、厳しい冬季の天候に対応するための構造物であり、地域の安全を確保しています。そのスノーシェルターの近くには、JR区界駅があり、これは東北地方で最も高い駅として知られています。さらに、道の駅区界高原も近隣にあり、観光や休憩のスポットとして親しまれています。

新区界トンネルの開通

地域の交通事情を改善するために、区界峠の最大の難所を解消する「新区界トンネル」が2020年12月5日に開通しました。このトンネルは、「復興支援道路」として国土交通省の指導のもと、岩手県が整備を進めたもので、総事業費は約370億円が投じられました。このトンネルは、岩手県内で最も長いトンネルの1つであり、東北地方では3番目の長さを誇ります。

新区界トンネルは、交通量の多い区界峠を迂回するために設置され、標高は666メートルです。また、トンネルの設計は、道路法第46条に基づき、5,000メートル以上の長さを持つトンネルには危険物積載車両の通行制限がありますので、トンネルの長さはそれ未満に抑えられています。

脚注及び参考

区界峠周辺は、冬の雪景色や登山が楽しめるスポットとしても人気があります。地域の魅力を発信するため、他にも様々な観光資源が揃っています。また、元の街道の利用も推奨されており、失われた歴史を学ぶ機会にもなっているのです。

運転者や観光客にとっては、区界峠は単なる通過点ではなく、その歴史や自然の美しさと共に楽しむ貴重な場所と言えます。

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