国道106号

国道106号と宮古盛岡横断道路：岩手県を横断する重要な交通路

国道106号は、岩手県沿岸部の宮古市から内陸部の盛岡市に至る、歴史深い一般[[国道]]です。古くから宮古街道、または閉伊街道と呼ばれ、JR山田線と多くの区間で並走しています。かつては曲がりくねった道でしたが、昭和40年代後半からの改良工事によってトンネルが整備され、直線的なルートへと変化しました。2004年時点での宮古市から盛岡市への所要時間は約1時間44分でした。

しかし、東日本大震災を契機に、内陸と沿岸部を結ぶ重要な交通路としての役割が改めて認識され、バイパスとなる宮古盛岡横断道路の整備が、復興支援道路として重点的に進められました。

宮古盛岡横断道路：復興と時間短縮の成果

宮古盛岡横断道路は、全長約100kmの地域高規格[[道路]]です。線形不良の解消、医療施設へのアクセス向上、沿岸地域の経済復興などを目的に、1994年に計画路線が指定されました。東日本大震災後、復興支援道路として優先的に事業が進められ、2021年3月には復興支援道路として事業化された区間が全線開通しました。これにより、宮古市から盛岡市間の所要時間は1時間27分へと大幅に短縮されました。

路線データと構成道路

国道106号の起点は宮古市（国道45号との交点）、終点は盛岡市（国道455号起点）です。総延長は約137kmで、重要な経過地として下閉伊郡新里村と川井村があります。

宮古盛岡横断道路は、複数の区間から構成されています。主な構成道路には、宮古西道路、達曽部道路、簗川道路、都南川目道路、宮古箱石道路、平津戸松草道路、区界道路、田鎖蟇目道路、箱石達曽部道路などがあります。これらの道路は、自動車専用[[道路]]と一般道路が混在しています。

各構成道路の詳細

宮古バイパス: 宮古市街地の交通渋滞緩和を目的としたバイパス[[道路]]で、1984年に全線開通しました。
宮古箱石道路: 宮古市藤原から箱石に至る区間で、宮古西道路と、復興支援道路として整備された一般道路から構成されます。2021年3月に全線開通しました。
宮古西道路: 宮古箱石道路の一部を構成する自動車専用[[道路]]で、宮古市街地から閉伊川沿いに建設されました。2019年から2020年にかけて順次開通しました。
田鎖蟇目道路: 宮古市田鎖から蟇目へ至る自動車専用[[道路]]で、2023年12月2日に着工しました。
箱石達曽部道路: 宮古市箱石から川内へ至る自動車専用[[道路]]で、2021年度に着工しました。
達曽部道路: 宮古市川内を起終点とする、1999年開通の比較的短い区間です。
平津戸松草道路: 宮古市平津戸から区界に至る区間で、平津戸トンネルなどがあります。2021年3月開通。
区界道路: 宮古市区界から盛岡市簗川に至る自動車専用[[道路]]で、新区界トンネル（岩手県内最長クラス）が特徴です。2020年12月開通。
簗川道路: 簗川ダム建設に伴う付け替え道路としての役割も担っています。2013年開通。
都南川目道路: 盛岡市街地南部の手代森で国道396号等と接続します。2016年から2019年にかけて順次開通しました。

歴史と今後の展望

国道106号は1953年に二級[[国道]]として指定され、1965年に一般[[国道]]となりました。1978年には一次改築工事が完了し全線開通しました。宮古盛岡横断道路の整備は、1994年の地域高規格[[道路]]指定以降、段階的に進められ、東日本大震災後の復興支援道路としての整備が大きく貢献しました。現在も一部区間では工事が継続中です。

岩手県は、国道106号の更なる強化のため、指定区間編入を国に要望しています。宮古盛岡横断道路の完成により、三陸沿岸地域の復興と地域経済活性化への更なる期待が高まっています。

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