十七試陸上戦闘機

十七試陸上戦闘機（J3K）について

十七試陸上戦闘機、略称J3Kは、第二次世界大戦中に日本海軍によって計画された遠距離侵攻用の戦闘機です。この機体は、川西航空機が設計を担当しましたが、実際に完成することなく開発が中止されてしまいました。

計画の背景

1942年（昭和17年）、日本海軍は川西航空機に対して十七試陸上戦闘機を発注しました。当初、川西航空機は同社初の陸上戦闘機である紫電の設計を進めていましたが、十七試陸上戦闘機については独自の新しい設計を行うことが決定されました。この決定は、海軍が新たな戦闘機を求める中でのものであり、当時の戦局を考慮したものです。

設計の段階では、川西航空機は中島の誉エンジンの採用を提案しました。しかし、生産上のさまざまな理由から海軍は、試作中の三菱ハ43-21型エンジンの使用を要求しました。このエンジンの開発は非常に困難で、設計が進む中で計画は次第に停滞していきました。

開発の難航

当時、川西航空機は紫電および紫電改の開発に注力しており、これらの機体がより高い実戦的価値があると認識していました。このため、十七試陸上戦闘機の開発は後回しとなり、1943年（昭和18年）の初頭には正式に開発計画が中止されるに至りました。このような流れにより、十七試陸上戦闘機は実機を見ることなく、計画段階で終わってしまったのです。

計画された諸元

十七試陸上戦闘機の設計においては、以下のような基本的な仕様が計画されました。

• - 乗員：1名
• - 動力：三菱ハ43-21型空冷星型複列18気筒エンジン
• - 離昇出力：2100 hp
• - プロペラ：4翅
• - 武装：20 mm機関銃 ×2（機首）、13 mm機関銃 ×2（翼内）

これらの諸元は、戦闘機としての能力を持つことを意図していましたが、実際には戦闘機として運用されることはありませんでした。計画が中止されたことは、戦争の流れと航空機の技術革新の中での選択の一部であったと言えるでしょう。

参考文献

本機の詳細については、碇義朗著『幻の戦闘機』（光人社NF文庫、2003年、82-86頁）や、1985年5月発行の『世界の傑作機 no.149』特集「紫電」と「紫電改」などを参照すると、さらに深く理解することができます。これらの資料では、当時の航空機開発における状況や他の機体との関連性についても触れられており、より広範な視点から日本の戦闘機の歴史に迫ることができます。

関連項目

• - 戦闘機一覧
• - 陣風（航空機）

以上が十七試陸上戦闘機に関する概要であり、開発が実現しなかった背景や計画された仕様について紹介しました。

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