十三不塔

十三不塔（シーサンプーター）

十三不塔は、麻雀におけるローカル役の一つです。親は配牌時、子はチー・ポン・カンのない第一ツモ完了時に、刻子・順子がなく、搭子さえないバラバラの状態で、かつ、雀頭として対子が一つだけある状態を、特別に役満としたものです。ただし、現在はほとんど採用されていません。

概要

十三不塔の成立条件は以下の通りです。

1. 雀頭が一つあること
2. それ以外の搭子が一つもできていないこと
3. 順子や刻子がないこと
4. ロンあがりは認められない
5. 他の役とは複合しない

例:

[牌姿の例]

この例では、面子はおろか両面搭子・嵌張搭子・辺張搭子いずれもできておらず、九萬の雀頭がある以外はすべてバラバラの状態です。

十三不搭は配牌時に、刻子・槓子・順子・搭子が一切ない状態を指します。即ち、同色の数牌が2牌以上あるときに、その差が3以上であることが条件となります。この条件を満たすためには、一色の数牌につき最高3牌までしか使用できません（対子がある場合のみ4牌まで使用できます）。そのため、三色合わせて最高10牌までしか使用できないため、字牌は最低でも3牌必要となります。逆に字牌は最高8牌までしか使用できないため、数牌は三色合わせて最低5牌必要となります。

定義の揺れ

十三不塔は、麻雀が日本に伝わった時に勘違いから生じた役であるという説があります。かつて国士無双は十三面待ちだけが認められていた時代に十三么九とも呼ばれていましたが、中国の古い入門書では十三么九の牌姿が十三不塔の名で紹介されていたという。すなわち十三不塔はもともと十三么九の別名だったが、日本に伝来した際に「十三不塔」の解釈が分かれ、派生した役だと考えられます。

その後も十三不塔の定義はゆれ続け、以下のようなバリエーションを生みました。

1. 子の13枚の配牌が雀頭なしの完全なバラバラな状態であり、かつ第1ツモで同じ牌を引き、雀頭が完成した場合
2. 待ちを問わず、結果的に第1ツモを含む配牌14枚で対子が一つあり、13種の牌すべてが搭子を形成しておらず孤立している場合
3. 子の13枚の配牌の時点で雀頭なしの完全なバラバラの場合
4. 第1ツモを含めた14枚が雀頭なしの完全なバラバラの場合

十三無靠（シーサンウーシー）

十三無靠は、親の配牌または子の第一ツモ完了時に、刻子・順子がなく、搭子や対子さえできていない完全なバラバラの状態を、特別に役満としたものです。雀頭のない十三不塔を認めることから、十四不塔（シースープーター）とも言われます。

十三無靠の「無靠」とは、十三不塔の「不塔」と同じく13牌が互いに孤立していることを表したものであり、両者に大きな違いはありません。ただし、十三不塔が雀頭を必要とするのに対し、十三無靠は対子さえない完全なバラバラの状態と定義されていることが多いです。

例:

[十三無靠の例]

七星無靠（チーシンウーシー）

七星無靠は、色Aで1-4-7の筋を集め、色Bで2-5-8の筋を集め、色Cで3-6-9の筋を集め、かつ字牌7種を揃えることで成立する役です。役満もしくは満貫。

例:

[七星無靠の例]

全不靠（チュェンプカオ）

全不靠は、色Aで1-4-7、色Bで2-5-8、色Cで3-6-9の筋と、字牌7種の中から、任意の14牌を揃えることで成立する役です。七星不靠が字牌をすべて揃える必要があるのに対し、全不靠は字牌をすべて揃える必要はありません。

関連役

十三么九（十三幺九、国士無双）

関連項目

麻雀の役一覧
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