十和田丸 (2代)

十和田丸（2代目）について

十和田丸（2代目）は、1966年10月に津軽丸型第7船として建造され、日本国有鉄道およびJR北海道にて青函連絡船として運航されました。1988年までその役割を果たした後、日本旅客船に売却され、『ジャパニーズドリーム』と改名。1990年から1992年まで横浜と神戸間でクルーズ客船として運航されました。その後、いくつかの変遷を経て、最終的に解体されることとなりました。

建造の経緯

十和田丸（2代目）の建造は1963年に設置された「青函連絡船取替等委員会」の報告に基づいて進められました。戦後に建造された古い連絡船をより良い船質にするため、新しい津軽丸型の船を追加で建造し、老朽船の引退を計画しました。十和田丸（初代）は旅客定員が多かったものの、船足が遅く、貨物航送能力も不足していたため、代替の必要性があり、1966年10月に十和田丸（2代目）が竣工し事業が開始されました。

概要と特徴

この船は他の津軽丸型と同様の基本設計を持ちながらも、現場で実績を積んだ技術と新しい機器を取り入れることに成功しました。特に、操舵室や機関室の配置、船員居住区の位置を見直すことで、安全性を向上させ、より効率的な操作が可能となりました。外観も一部変更され、船体は従来の約7度の後傾から垂直になり、より現代的な印象を与えました。さらに、水密隔壁やバウスラスターの配置改善も行われ、操作性と安全性が強化されています。

運航の歴史

十和田丸（2代目）は、1966年11月の就航以来、1988年の青函連絡船の終航まで運航を続けました。この船は青森と函館の間で約55分で折り返す運航を実現し、多くの旅客の移動を支えました。貨物輸送も増加していき、津軽丸型6隻による15往復体制は、1988年まで続くことになります。

改造とジャパニーズドリーム

青函連絡船としての役割を終えた十和田丸（2代目）は、その後、日本旅客船により『ジャパニーズドリーム』に改名されました。改造によって、客室やホテルのような施設が増設され、豪華なクルーズ客船へと変貌を遂げます。しかしながら、運航が開始されてから数年後には、乗客数が伸び悩み、重税や高燃費の問題も相まって、結局1992年には運航が終了しました。以後は数年にわたり佐世保港に係留されていますが、1995年にはフィリピンに売却され、カジノ・ホテルシップとして再利用されるも、最終的には2008年に解体されました。

最後に

十和田丸（2代目）の歴史は、ただの渡船にとどまらず、青函の航路における多くの人々の生活と北海道と本州をつなぐ重要な役割を果たしてきたことを示しています。また、改名後の『ジャパニーズドリーム』としての豪華船旅の挑戦は、当時の旅客船業界における変化を映し出しています。

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