佐世保港

佐世保港について

佐世保港（させぼこう）は、九州の西北部に位置する長崎県佐世保市が管理する港湾であり、港湾法に基づく重要港湾として認定されています。また、厳格な港則法の特定港にも指定されており、その美称は「葉港」とされています。本港は古くから軍港として発展し、国防にとって重要な拠点でありながら、商業港としての役割も果たしてきました。国道384号は、この港から新上五島町の有川港までの海上区間が設定されています。

港の概要

佐世保港の区域面積は、約57,781,800平方メートルに及び、相浦から九十九島海域、早岐水道までの広範囲をカバーしています。特に、佐世保湾は外海との接続が一つだけで、深い水深を持つため、自然の良港と言われる「廻れば七里」を有しています。この地理的恵みを利用し、1898年に旧日本海軍が佐世保鎮守府を設立したことから、軍港としての歴史が始まりました。戦後は、アメリカ海軍の第7艦隊基地として使われるようになり、現在では海上自衛隊（佐世保地方隊）の基地ともなっています。米軍施設水域の協定により、港の80.5%は制限水域であります。

防衛と商業の役割

佐世保港は防衛上、西日本や南西諸島の重要な拠点となっています。2020年7月の段階では、海上自衛隊の護衛艦15隻と、米海軍の揚陸艦および掃海艇約9隻がこの港を母港として活動しています。また、佐世保港内の崎辺地区では、自衛隊の利用のための整備も進行中です。

一方で、商業港としての開発も進められています。港湾機能の活性化を目的とした「ポートルネッサンス21計画」が実施されており、再開発が進められています。このプロジェクトは、地域の産業振興や観光への貢献を意図したものです。

自然と観光の魅力

佐世保港周辺には美しい自然景観が広がっており、俵ケ浦半島から平戸までの約25キロメートルの海に浮かぶ「九十九島」は特に有名で、その美しさから西海国立公園に指定されています。観光名所や施設も充実しており、海きららや九十九島動植物園など、地域の魅力を満喫できるスポットがたくさんあります。

主要施設とアクセス

浮き桟橋から大型客船の発着所となる鯨瀬ターミナルや新みなとターミナルのほか、させぼシーサイドパーク、佐世保駅、佐世保港国際ターミナルビルなどがあり、地域の交通や観光の拠点となっています。また、佐世保重工業や米海軍佐世保基地など、商業面でも重要な施設が集まっています。

佐世保港の歴史

佐世保港は1562年に大村純忠によって開港され、ポルトガルとの南蛮貿易を経て、1889年には海軍の鎮守府としての歴史を刻みました。戦後にはアメリカ軍が進駐し、現在のような軍港及び商港としての機能を持ち続けています。市民とともに発展を続けてきたその歴史は、地域の人々に深い愛着と誇りを与えています。

まとめ

佐世保港は、軍事的な役割だけでなく、商業・観光においても重要な存在であります。その美しい自然環境や歴史的背景をもつこの港は、今後も多くの人々に愛され、地域の発展に寄与していくことでしょう。

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