十国峠十国鋼索線

十国鋼索線の紹介

十国鋼索線（じゅっこくこうさくせん）は、静岡県田方郡函南町に位置し、十国峠を結ぶケーブルカーの路線です。この路線は十国峠株式会社によって運営され、「十国峠パノラマケーブルカー」や「十国峠ケーブルカー」としても知られています。2021年11月までは伊豆箱根鉄道が運営していましたが、同年12月の会社分割によって十国峠株式会社が新たに設立され、2022年2月からは富士急グループに移行しました。

路線の概要

十国鋼索線は、静岡県道20号熱海箱根峠線（十国峠ドライブウェー）の経路に沿って、十国峠の山麓駅から頂上に位置する山頂駅へと至ります。山麓駅は無料休憩所「森の駅 箱根十国峠」内にあり、観光客にも便利な立地となっています。山頂駅では、標高766メートルの地点から十国五島（伊豆、相模、駿河、遠江など）の美しい風景が楽しめ、気象条件が良ければ東京タワーや東京スカイツリーの姿も望むことができます。

また、山頂駅の南側には広々とした芝生が整備され、穏やかな日にはピクニックを楽しむことができます。この芝生からは、姫の沢公園へ繋がるハイキングコースもあり、子供連れの家族にも人気のスポットです。同コースにはさまざまなアスレチック施設が設置されており、アウトドアを満喫することができます。なお、十国峠にアクセスする方法として、ケーブルカーの利用以外にも、熱海峠の近くから車でアクセスすることも可能です。

路線データ

十国鋼索線の営業距離は0.3キロメートル、高低差は101メートルとなっており、運行はおおむね15分おきに行われ、所要時間は約3分です。興味深い点として、一般的な日本のケーブルカーは1,067ミリメートル軌間を採用している中で、十国鋼索線は唯一の1,435ミリメートルの標準軌を用いています。この理由は、新たに整備された車両が、国内で唯一の標準軌のケーブルカーである妙見鋼索鉄道の台車を転用しているためです。

車両について

十国鋼索線では、1955年に日立製作所が製造した2両の車両（1号車「日金」と2号車「十国」）が運行しています。この車両は開業から使用されており、2018年にデザインがリニューアルされ、富士山をモチーフにしたスタイリッシュな塗装が施されています。

歴史の変遷

十国鋼索線は、1956年10月16日に駿豆鉄道株式会社により開業しました。初期の運営では、戦時中に廃止された妙見鋼索鉄道の機材が再利用され、長い歴史を持つ路線となっています。以降、1957年には伊豆箱根鉄道に社名変更し、2021年からは現在の運営会社となりました。特に近年では、駅舎のリニューアルや愛称の変更が行われ、観光地としてますますの魅力を増しています。

周辺施設とアクセス

十国峠山麓駅からは熱海駅までのバスがあり、所要時間は約35分です。また、山頂では「PANORAMA TERRACE 1059」や「天国カフェ」といった施設があり、観光客は絶景を眺めながら休憩を楽しむことができます。観光の際には、「箱根旅助け」などのバスパスの利用も便利です。

十国鋼索線はその景色と歴史から、訪れる価値のある観光名所として、多くの人々に愛されています。

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