十戒 (1984) の概要
「十戒 (1984)」は、日本の著名な
歌手中森明菜による楽曲で、彼女の第9枚目の
シングルとして
1984年7月25日にリリースされました。この楽曲はワーナー・パイオニア(現:
ワーナーミュージック・ジャパン)から発売されたもので、EP番号はL-1665です。
背景と制作
「十戒 (1984)」は、
1984年4月にリリースされた「
サザン・ウインド」の後継となる楽曲であり、同年10月発売のスタジオアルバム『POSSIBILITY』からの先行
シングルとしての位置づけがあります。楽曲は売野雅勇の歌詞に、高中正義の
作曲、そして高中と
萩田光雄の共同編曲によって成り立っています。プロデュースは島田雄三が担当しました。
当初は
中森明菜が熱心なファンである
松任谷由実の歌詞が付けられる予定でしたが、方針の違いからその案は断念され、最終的には売野に依頼される形で楽曲が完成しました。売野は実際に歌詞の内容について中森と直接意見を交わすことはなかったとしながらも、中森の表現力の高さを称賛しています。彼にとって、中森は脚本を超える表現を見せる素晴らしいシンガーアクトレスであると言えるでしょう。
リリース前の
1984年7月23日に放送されたフジテレビ系の
音楽番組『
夜のヒットスタジオ』にて、中森は「十戒 (1984)」を初披露しました。この出演は、1983年の「禁区」以来のことでした。その後出場者としては準レギュラーのような位置に入り、同番組で多くの回に出演していました。また、
1984年度のNHK紅白歌合戦でもこの楽曲が披露されています。
その後も「十戒 (1984)」は新録され、2006年にはベストアルバム『BEST FINGER 25th anniversary selection』に収録され、さらにパチンコ台にも音楽として収録されるなど、彼女のキャリアにおける重要な作品となっています。
B面曲と評価
シングルのB面には「これからNaturally」が収録されています。この曲はSEYMOURが
作詞を担当し、三室のぼるの
作曲によるもので、編曲は
若草恵が行っています。
音楽評論家の堤昌司は「十戒 (1984)」を、売野雅勇のスタイルを集約した作品であると評価しました。
チャート成績
「十戒 (1984)」は
1984年の音楽シーンで大ヒットを記録しました。TBS系の
音楽番組『
ザ・ベストテン』では、
1984年8月16日から9月13日までの5週間連続で1位を獲得し、
1984年度の年間総合ベストテンでも第8位にランクインしています。オリコンの週間
シングルチャートでも
1984年8月6日付で初登場1位となり、同年8月27日付で再度1位を維持しました。オリコン年間
シングルチャートでも第6位に位置し、61万枚以上の売り上げを記録しています。
読み方の問題
「十戒」については正確には「じっかい」と読まれるべきですが、JASRACには「じゅっかい」という形で登録されており、メディアでもこの読み方が広まっています。この現象は売野の誤読に起因していると言われています。
発売フォーマット
「十戒 (1984)」は初めてのリリース後、時代に合わせて様々なフォーマットで再発売されています。例えば、1988年には8cmCDとして再発され、1998年には12cmCDとしてもリリースされています。また2014年には12cmCDがSingles Boxの一部として発売されています。
このように「十戒 (1984)」は
中森明菜にとって重要な楽曲であり、多くのファンに影響を与える一作品であったことが分かります。