十曲峠

十曲峠（じっきょくとうげ / じっこくとうげ）

概要

十曲峠は、岐阜県中津川市に位置する、旧中山道の峠です。標高は約500メートルで、資料や刊行物によって「じっきょくとうげ」と「じっこくとうげ」の二通りの読み方が存在します。また、「十石峠」と表記されることもありますが、これは訛ったものとする説もあります。

中津川市馬籠新茶屋地区に位置し、江戸時代中期までは立場茶屋がありました。落合宿までの約840メートルは、石畳が敷かれており、「中山道 落合の石畳」として知られています（一部は復元されています）。かつての十曲峠は、その名の通り、つづら折りの多い坂道でしたが、現在では落合橋から医王寺まで緩やかな山中坂に迂回するルートが利用されており、旧道は廃道となっています。

この峠は、かつて旧信濃国と旧美濃国の境に位置しており、「シナノ ミノ サカヒ」と刻まれた角柱がその境界を示しています。2005年（平成17年）に長野県木曽郡山口村が岐阜県中津川市に越県合併した結果、県境は東方の馬籠峠に移りました。

峠には、松尾芭蕉の句碑「送られつ 送りつ 戻る木曽の穐」が建てられています。碑に刻まれている「裏梅園古狂」とは、馬籠宿大黒屋の主人であり、美濃派の俳人でもあった大脇信親のことです。島崎藤村の小説『夜明け前』では、この句碑の建碑の様子が、「秋」ではなく「穐」の字が使われていることなどを含めて描写されています。

周辺

十曲峠の周辺には、以下の宿場町があります。

落合宿：中山道の宿場町の一つで、石畳の道が残っています。
馬籠宿：中山道の宿場町の一つで、美しい町並みが保存されています。

脚注

読み方について：資料や刊行物によって「じっきょくとうげ」と「じっこくとうげ」の二通りの読み方が混在しています。「十石峠」の表記で「じっこくとうげ」と読むこともありますが、これは訛りとする説があります。

関連項目

日本の峠一覧

この情報は、十曲峠の歴史、地理、文化的な側面を総合的にまとめたものです。峠の変遷や周辺の宿場町についても触れており、読者が峠の全体像を理解するのに役立つでしょう。また、俳句や文学作品との関連性にも言及することで、より深く峠の文化的な背景を理解することができます。

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