落合宿

落合宿

落合宿は、中山道六十九次のうち、44番目の宿場として、美濃国恵那郡落合村（現在の岐阜県中津川市落合）に位置していました。中山道は江戸と京都を結ぶ重要な街道であり、落合宿は旅人にとって重要な休憩地点でした。

宿場の概要

1843年時点では尾張藩の領地であり、人口は約370人、家数は75軒でした。宿場には、本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠14軒が設けられ、多くの旅人が利用しました。

アクセス

現代では、JR中央本線落合川駅が最寄りの駅となりますが、駅から宿場跡まではやや距離があります。公共交通機関を利用する場合は、JR中央本線中津川駅から北恵那交通バスに乗車し、「落合」バス停で下車すると便利です。

史跡・見どころ

落合宿には、当時の面影を偲ばせる史跡や見どころが数多く残っています。

本陣: 岐阜県内に現存する唯一の本陣建築です。その歴史的価値が認められ、2010年には国指定史跡中山道に追加指定されました。当時の建築様式を今に伝える貴重な建物です。
脇本陣跡: かつて脇本陣として機能していた場所です。現在はその面影を残すのみですが、往時の賑わいを想像することができます。
医王寺・善昌寺・高福寺: 宿場内にあった寺院で、地域の歴史や文化を今に伝えています。

中津川宿までの史跡

落合宿から中津川宿へ向かう道中にも、以下のような史跡が点在しています。

落合五郎城跡（おがらん様）: 木曾義仲の家臣で四天王の一人とされる落合兼行の館跡です。地域の歴史を語る上で重要な場所です。
与坂立場跡: かつて旅人が休憩した場所の跡です。
子野の一里塚跡: 旅の距離を示す一里塚の跡です。当時の街道の様子を伝えています。
小野の地蔵堂石仏群: 道の安全を祈願して作られた地蔵尊が祀られています。
尾州白木改番所跡: 尾張藩の検問所があった場所です。
立場茶屋　越前屋: 旅人に茶や食事を提供した茶屋の跡です。

馬籠宿までの史跡

落合宿から馬籠宿へ向かう道中には、以下のような史跡があります。

中山道 落合の石畳: 当時の街道の面影を色濃く残す石畳道です。自然石を敷き詰めた道は、趣があり、歴史を感じさせます。
「是より北 木曽路」の碑: 木曽路の入り口を示す碑です。旅人にとっては、旅の始まりを告げる重要な目印でした。

落合宿や落合の石畳などの名所は、中部北陸自然歩道のモデルコース「中山道落合の石畳を訪ねるみち」として整備されており、ハイキングコースとしても人気があります。

隣の宿場

中山道において、落合宿は馬籠宿と中津川宿の間に位置しています。

馬籠宿: 落合宿から約4.5km（1里5町）の距離です。
中津川宿: 落合宿から約4km（1里）の距離です。

参考文献

中津川市史　中巻Ⅱ　第六章　宿・交通　第三節　落合宿　p1306～p1321 　1988年
中山道を歩く 児玉幸多　中公文庫　1988年　ISBN 4122015561
尾張藩領落合村誌 山川喬 1991年

関連項目

* 十三人の刺客

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