千住検車区

千住検車区

千住検車区は、東京都荒川区に所在する東京メトロ日比谷線の車両基地です。南千住駅に隣接し、日比谷線の車両 maintenance を担う重要な拠点となっています。

概要

1960年12月に千住検車区準備事務所として発足し、翌年3月に正式に検車区としての業務を開始しました。主な業務は日比谷線車両の月検査と清掃です。南千住駅のすぐ北側に引き込み線があり、車両はここから入出庫します。

用地取得にあたっては、国鉄隅田川貨物駅に関連する隅田川用品庫の広大な土地に着目し、交渉の結果、1960年1月に用地を取得。日比谷線の整備を行う検車区・工場として建設されました。

水害対策として、A.P.+ 3.63 m の盛り土を実施。これは、日比谷線建設工事で掘削した土砂を南千住 - 秋葉原間で運搬・搬入し、地盤を約0.95 m高くしたものです。

日比谷線の輸送力増強に伴い、収容能力不足が課題となり、2層構造の立体車庫も検討されましたが、軟弱地盤のため地盤沈下防止に多額の費用がかかることから断念。1966年には東武鉄道の西新井電車区を譲り受け、竹ノ塚検車区（当時）として新たに発足しました。

発足当初は6両編成24本を収容可能でしたが、1971年には運河を埋め立てて拡張工事を行い、8両編成15本が収容できる構造となりました。2010年には竹ノ塚検車区が千住検車区に組織統合され、千住検車区竹ノ塚分室となっています。

構内西側には千住変電所があり、2016年には北千住 - 南千住間の隅田川橋梁における停電対策として、非常用バッテリーが設置されました。

敷地面積：36,068 m2
車両留置能力：120両（8両編成×15本）

沿革

1960年1月：千住車両基地用地を国鉄から取得
1960年7月：千住検車区の建設工事に着手
1960年12月：千住検車区準備事務所発足
1961年1月：日比谷線第1号車搬入
1961年3月：千住検車区発足
1961年9月：千住工場の建設工事に着手
1962年3月：千住工場が完成
1963年6月：千住工場発足
1964年1月 - 8月：千住検車区広尾出張所を設置
1966年2月 - 5月：千住工場で東西線5000系の重要部検査を実施
1970年7月：千住検車区拡張工事のため、再度千住検車区広尾出張所を設置
1971年5月：千住検車区拡張工事完成
1979年10月：月検査を竹ノ塚検車区より移管
1995年4月：車両清掃を竹ノ塚検車区より移管
1996年4月：竹ノ塚検車区より所属車両を移管
2004年2月：日比谷線車両の定期検査を鷺沼工場へ移管、千住工場を廃止
2010年4月：竹ノ塚検車区を組織統合し、千住検車区竹ノ塚分室となる

配置車両

13000系電車：308両（7両編成×44本）

過去の配置車両

3000系電車：200両（8両編成×25本）
03系電車：336両（8両編成×42本）

千住工場

千住工場は、千住検車区に隣接していた日比谷線の車両工場です。1963年6月に発足し、長らく日比谷線車両の定期検査を担っていましたが、2004年2月に鷺沼工場に統合され廃止。廃止後はメトロ車両千住事業所となっています。

メトロ車両千住事業所

千住工場廃止後、メトロ車両千住事業所として、東京メトロの定期検査対象機器の一部を集中して検査する拠点となっています。ユニットクーラー、ブレーキ、主電動機など、多岐にわたる機器の検査・手入れを行っています。

千住検車区広尾出張所

日比谷線の建設時、中目黒側に車両基地がなかったため、広尾駅に小規模な留置線が設置されました。これが千住検車区広尾出張所です。全線開業後も留置線として活用され、現在は平日朝の六本木行き電車や、中目黒始発の最終電車が出入りしています。

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