千曲橋

千曲橋

千曲橋は、長野県千曲市を流れる千曲川に架かる全長402.4mの橋梁です。国道403号の一部を担い、地域の交通を支える重要な役割を果たしています。

概要

千曲橋は、千曲川の稲荷山地区と杭瀬下地区を結んでいます。景観に配慮した設計が特徴で、ラーメン橋と斜張橋という異なる形式を組み合わせた構造を持ちます。特に、両端に採用された斜張橋は、桁を可能な限り薄くしつつ、ランドマークとしての美しさを追求したものです。

夜間には主塔がライトアップされ、その美しい光景は地域住民のみならず、訪れる人々をも魅了します。1997年には、その照明設備が評価され、照明学会から照明優秀施設支部長奨励賞を受賞しました。東日本大震災の影響で一時休止していたライトアップも、2022年6月1日に再開されています。

新橋の完成により、長年の課題であった通勤時間帯の渋滞が大幅に緩和されました。また、歩道には退避所が設けられ、あんずの花と棚田の月をモチーフとしたレリーフが設置されています。これらのレリーフは、橋を渡る人々に地域の文化や自然を感じさせる工夫が凝らされています。

構造

千曲橋は、以下の構造形式を採用しています。

形式: 3径間連続PCラーメン箱桁橋および2径間PC連続斜張橋
橋長: 402.400 m
支間割: (59.2 m+56.8 m ) +3×56.8 m+ (59.2 m+56.8 m)
幅員: 14.3 - 18.4 m

この構造により、景観に優れ、かつ安全性の高い橋梁が実現しています。

歴史

千曲橋の歴史は古く、明治時代に木橋が架けられたのが始まりです。その後、木桁橋への架け替えを経て、1933年には永久橋が完成しました。しかし、老朽化や幅員の狭さなどの問題から、1990年に新たな橋の建設が始まり、1996年に現在の千曲橋が開通しました。

1892年（明治25年）4月: 木橋が架橋
1910年（明治43年）8月: 木桁橋に替えられる
1933年（昭和8年）3月28日: 永久橋が開通
1996年（平成8年）7月: 新橋が開通

旧橋

旧橋は、7径間鋼下路単純トラス橋という形式で、橋長は403.8m、幅員は5.5mでした。1933年の開通以来、長年にわたり地域の交通を支えてきましたが、老朽化のため架け替えられました。

形式: 7径間鋼下路単純トラス橋
橋長: 403.8 m
支間割: 57.4 m+5×57.8 m+57.4 m
幅員: 5.5 m

交通量

2015年度の道路交通センサスによると、千曲橋の通過車両は11,802台です。この数値は、千曲橋が地域における重要な交通インフラであることを示しています。

周辺情報

千曲橋の周辺には、豊かな自然や歴史的な観光スポットが点在しています。橋を渡る際には、これらのスポットにも立ち寄ってみるのもおすすめです。

千曲橋は、地域の交通を支えるだけでなく、美しい景観や歴史的な背景を持つ橋梁として、多くの人々に愛されています。

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