千葉大学真菌医学研究センター

千葉大学真菌医学研究センター

千葉大学真菌医学研究センター（MMRC）は、国内で唯一の公的研究機関として、真菌を中心とした多様な病原体による感染症の研究を専門としています。千葉県千葉市の千葉大学キャンパス内に位置し、医学部、薬学部、看護学部、附属病院と連携しながら活動を展開しています。

沿革

このセンターの起源は1946年に遡り、当初は千葉医科大学附属腐敗研究所として設立されました。その後、1949年に千葉大学への改組に伴い研究所名も変更。1973年には生物活性研究所として改組され、1977年には現在のキャンパスに移転しました。1987年には真核微生物研究センターが設立され、1997年からは真菌医学研究センターに改称され、共同利用施設としての役割を担っています。また2010年には「共同利用・共同研究拠点」に認定され、研究・教育の礎を築いています。2017年には医学部附属病院に真菌症専門外来が開設され、臨床面での貢献も強化されています。

研究活動

センターの活動は、基礎研究と臨床研究の2つの側面に焦点を当てています。基礎研究では、病原真菌の病原因子や薬剤耐性、感染戦略機構といった重要なテーマが取り上げられており、さらに新たな抗真菌薬の分子標的の特定や新しい阻害化合物の探索も行っています。特に最近では、真菌のマイクロバイオームや真菌オミックスといった新しい研究分野にも着手しています。

臨床研究では、全国の医療機関からの依頼による真菌症の検査を行うほか、菌種同定や薬剤感受性測定、遺伝子解析などを実施しています。センターの専門家が附属病院において真菌症や小児の感染症の診療活動も行っており、これがセンターの特長となっています。

全国から集まった多くの菌株は菌株保存施設で保管されており、これは病原微生物として世界最大級のコレクションを有しています。また、センターはナショナルバイオリソースプロジェクト（NBRP）の病原性微生物部門を主管しており、これらの菌株は世界中の研究者に提供されています。

教育と啓発

教育面では、医学部や薬学部、看護学部の学部教育に加え、大学院教育も担当しており、さらに毎年「病原真菌講習会」を開催し、全国の研究者や医療関係者に対する教育活動にも力を入れています。これにより、真菌の取り扱いや同定法について直接指導を行い、次世代の研究者や医師の育成に貢献しています。

研究施設・設備

センターは、最先端の免疫研究システムや高度病原性病原体研究システム（BSL3）、次世代シーケンサー（MiSeq）など、高度な研究環境を整備しています。

アクセス

【所在地】
〒260-8673 千葉市中央区亥鼻1-8-1（千葉大亥鼻キャンパス内）
アクセスは、JR千葉駅または京成千葉駅からバスで約10分、中央博物館前で下車後、徒歩で1分の距離にあります。キャンパス内入ってすぐ右手にセンターがあります。

このように、千葉大学真菌医学研究センターは真菌に関する多様な研究と教育を推進し、国内の医療や学術界に多大な影響を与えています。

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