千葉早智子

千葉 早智子の生涯と業績

千葉早智子（ちば さちこ、1911年2月16日 - 1993年10月22日）は、日本映画における著名な元女優であり、PCL（後の東宝）の主演女優として初めての存在でした。彼女の魅力的な演技と歌唱力で多くの作品に出演しました。

出身と教育

千葉早智子は広島県芦品郡新市町（現在の福山市）に生まれました。広島市立高等女学校（現・広島市立舟入高等学校）を卒業し、その後は幼少期から音楽に親しみ、邦楽や洋楽の素養を身につけました。特に、箏の演奏では名手・宮城道雄に学び、尺八奏者の吉田晴風と共にアメリカでの演奏旅行を経験しました。

映画界への道

千葉は1933年に新映画社の「叫ぶアジア」でデビューし、純情可憐な中国娘役として注目を集めました。この作品はPCLにとって重要な要素となり、彼女はPCLにスカウトされます。PCLが製作した初のミュージカル映画「ほろよひ人生」では主演を務め、その美貌と歌声で一気に人気を得て、同社の第一号看板スターとなりました。

映画作品とパートナーシップ

千葉は成瀬巳喜男とのコンビで習った新しいスタイルでの映画制作に参加し、「妻よ薔薇のやうに」や「噂の娘」といった作品に主演しました。これらは昭和10年のベストテンにも選ばれる名作です。彼女の演技力は幅広く、特に歌唱シーンではその才能が際立ちました。1937年には成瀬と結婚しましたが、その後1940年に離婚します。

銀幕から実業界へ

映画界から見放され、次世代のスターたちが台頭する中で、千葉は1943年に東宝を退社。その後、渋谷松濤に進出し高級料亭を開業します。この店は進駐軍の幹部に人気を博しました。さらに海外に渡り、ロサンゼルスの日本料理店のアドバイザーを務めるなど、実業家として非常に多岐にわたる活動を行いました。

帰国後は高級洋菓子店チェーン「フランセ」の取締役としても活躍し、ビジネスシーンでのキーパーソンとなっていきました。千葉の長男・隆司はテレビプロデューサーとしての成功を収めています。

最後に

千葉早智子は、映画業界での成功だけでなく、豊かな音楽的才能と実業家としての顔も持つ多彩な人物でした。彼女の生涯や作品は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼女の業績については、「広島県大百科事典」にも同郷出身の著名人士として取り上げられています。

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