芦品郡

芦品郡の概要

広島県にあった芦品郡（あしなぐん）は、1898年に設立された行政区画で、当初は芦田郡と品治郡が統合されて発足しました。この郡は、福山市、府中市、神石郡の一部を含む広範な地域を持っていました。

郡の構成

芦品郡は、設立当初に2町と24村から成り立っていました。その後の組織変更や合併により、町の数が変動しました。特に、旧芦田郡からは府中町、出口町、岩谷村などが、旧品治郡からは宜山村、倉光村などが籍を有していました。

歴史的背景

郡制が施行される1899年には、府中町に「芦品神石甲奴郡役所」が設置され、神石郡や甲奴郡を管轄する形となりました。1907年には新市村が町制を施行し、新市町として発展を始めました。

大正時代には様々な村が合併し、大正村や駅家村といった新しい町村が誕生しました。1923年には郡会が廃止され、郡役所が存続する形で行政が継続されました。1925年、府中町と出口町が合併して新たに府中町が設立され、郡内の行政区画が再編成されました。

変遷と合併

郡の行政は昭和に入るとさらに大きな変化を遂げました。1947年、駅家村が町制施行により駅家町となり、1949年には下川辺村が本郡に編入されます。その後も合併や編入を繰り返し、1954年には府中町、岩谷村などが合併し府中市として新たに市制が施行され、郡から離脱しました。1956年には河佐村が府中市に編入され、さらに1959年には藤尾村が新市町に組み込まれました。

最終的には1975年に協和村が府中市に、駅家町が福山市に編入され、2003年には新市町が福山市に編入されると同時に芦品郡は消滅しました。

現在の状況

芦品郡が存在していた時代の行政区画は現在の広島県内で様々な形で残っており、その歴史は地域の発展に深くかかわっています。消滅した郡の遺産を思い起こすきっかけとして、芦品郡の歴史と変遷を振り返ることができます。地域が持つ文化や歴史は、郡が消滅してもなお、地域社会の中で息づいています。

参考文献

• - 「角川日本地名大辞典」 （角川書店、1987年）
• - 『市町村名変遷辞典』 （東京堂出版、1990年）
• - 芦品郡自治会編「芦品郡志」 （1925年、1971年復刻版）

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