千葉繁 (1963年生の政治家)

千葉 繁（ちば しげる）

1963年（昭和38年）2月1日生まれ。茨城県阿見町の政治家、実業家。

現在、阿見町長（第8代）を務める傍ら、昭和運送株式会社の代表取締役も兼任している。

経歴

茨城県稲敷郡阿見町に生まれ育つ。地元の阿見小学校、阿見中学校を卒業後、茨城県立竜ヶ崎第一高等学校に進学。1985年（昭和60年）に青山学院大学を卒業した。

大学卒業後は、父が経営する昭和運送に入社し、実業家としてのキャリアをスタートさせた。また、1987年（昭和62年）から2003年（平成15年）にかけて阿見町消防団員として地域防災に貢献。さらに、土浦・牛久両地区の交通安全協会役員や阿見町商工会青年部部長、阿見小学校PTA会長など、多岐にわたる地域活動にも積極的に関わった。

政治活動

地域活動での経験を活かし、2000年（平成12年）3月、阿見町議会議員選挙に無所属で立候補し、最多得票で初当選を果たした。議員としては民生教育常任委員会副委員長を務めた。

2004年（平成16年）3月の町議選で再選（2期目）。この間、総務常任委員会委員長、行政改革特別委員会委員長、監査委員などの要職を歴任し、町政運営への理解を深めた。2008年（平成20年）3月には3期目の当選を果たし、同年4月には阿見町議会副議長に就任。議員としては2009年（平成21年）12月まで務めた。

町議会議員を辞職後、2010年（平成22年）2月に行われた阿見町長選挙に挑戦したが、現職に敗れ、落選を経験した。

落選後、一時政界から離れ、昭和運送の社長として経営に専念。また、2011年（平成23年）からは茨城県少年指導委員を務めた。学びを深めるため、2015年（平成27年）に明治大学大学院に進学し、公共政策を専攻。財政に関するゼミで、後に神奈川県開成町長となる山神裕氏と共に学んだ。2017年（平成29年）に同大学院を修了した。

大学院での学びを経て、2018年（平成30年）2月、再び阿見町長選挙に立候補。この選挙では道の駅建設の是非が大きな争点となり、千葉氏は計画の問題点を指摘し、一時凍結を訴えた。選挙の結果、現職を破り、念願の阿見町長に初当選した。

2022年（令和4年）2月、任期満了に伴う阿見町長選挙において、他の候補者の届け出がなく、無投票での再選が決定した。

町政における主な取り組み

町長就任後、千葉氏は「未来を担う人づくり」と「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を柱に、様々な施策を推進している。

市制施行への意欲

町長として、阿見町単独での市制移行に強い意欲を示しており、2期目の任期を市制施行に向けた準備期間と位置付けている。就任当初、市制要件である人口5万人を下回っていたが、宅地開発などが奏功し、2023年秋に5万人を超えた。2024年4月には町役場内に「市制施行準備室」を設置し、同年8月からは「阿見町市制施行有識者会議」を開催。2025年2月の有識者会議では、市制移行が望ましいとの答申を得て、市名を「阿見市」、移行時期を2027年11月とする方向性が示された。これを受け、同年3月の庁議で正式に決定。今後は住民説明会などを通じ、理解促進を図る方針。

教育・子育て支援

初当選時に掲げた公約に基づき、「あみ人材育成基金」を創設し、奨学金返還支援や海外留学奨学補助を開始した。また、スクールカウンセラーの配置を拡充し、全小学校での相談体制を強化。給食費の無料化は、当初の「3人以上の児童生徒がいる世帯」から「18歳以下の兄弟姉妹が3人以上おり、第3子以降が小中学校に在学する世帯」へと対象を拡大し、2025年度からは「高校生以下の第2子以降」までさらに広げる。小学校入学予定者へのランドセル無料配布も2020年から実施している。

医療・福祉

医療分野では、所得制限なしでの18歳までの医療費無料化を実現。また、東京医科大学茨城医療センター内に病児保育施設を整備した。人口増加に対応するため、町西部地域における救急体制を強化し、救急車を本郷ふれあいセンターに常駐させている。
福祉分野においては、障害者の自立を支援するため、「あみまちの拠点くら・ら」を開設。低所得者も利用しやすい広域型特別養護老人ホームを誘致し、多床室の設置により費用の負担軽減と待機者解消を目指した。この施設は2021年2月に開所している。

危機管理

災害への備えとして、2019年（平成31年）3月に静岡県御殿場市、千葉県酒々井町と災害時相互支援協定を締結。また、自治体情報システムの効率化・標準化を目指し、県内8市町村と連携して自治体クラウドの共同利用を2020年（令和2年）4月から開始した。廃棄物の不法投棄対策として、環境保全監視員に警察官OBを採用するなど、地域の安全・安心確保にも力を入れている。

これらの施策を通じて、千葉氏は住みやすいまちづくりを推進し、阿見町の発展に取り組んでいる。

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