廃棄物

廃棄物の概念と法的定義

廃棄物とは、使い終えた物品や、不要とされる物のことを指します。一般的には、処分の意図があるもの、あるいは既に廃棄された物質や物体を含んでいます。国際的には、バーゼル条約において廃棄物は「処分がされ、または処分が意図されている物質」と定義されています。この条約は、特に有害廃棄物の国際的な移動に関して規制しています。

日本における廃棄物の定義

日本の法律では、「廃棄物処理法」に基づき、廃棄物は「ごみ、粗大ごみ、燃え殻などの固形もしくは液体の物質」として定義されています。ここでは、廃棄物の占有者がその物を利用できず、他人に売却することも不可能なために不要となった物も含まれます。このように、有価物である場合は廃棄物には該当しません。また、「循環型社会形成推進基本法」では、有価・無価問わず「廃棄物等」と表現されています。

具体的な廃棄物の区分

廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に大別されます。産業廃棄物は企業から排出されるもので、一般廃棄物は家庭からのごみなどを指します。令和3年度のデータによれば、産業廃棄物の総排出量は約3億7,591.7万トン、一般廃棄物の総排出量は約4,095万トンです。特に、食品廃棄物の量も多く、2019年度には本来食べられる食品が約523万トン廃棄されているとの推計があります。

廃棄物処理とその現状

廃棄物処理に関しては、バーゼル条約が規制を敷いており、有害廃棄物や一般廃棄物の収集、運搬、処分を含むものとして定義されています。日本では、廃棄物の処理方法や最終処分場の状況が問題となっており、最終処分場の残余年数は平均して約23.4年で推移しています。

また、米国や中国でも廃棄物に関する法律が存在し、それぞれ異なる強調点があります。米国の資源保護回復法は、有害廃棄物を定義し、州が廃棄物処理を管理する主体である一方、中国では固体廃棄物環境汚染防止法に基づくごみの分別が進められています。特に、上海市ではこの取り組みが全国での厳しいごみの分別制度を導入する先駆けとなっています。

まとめ

廃棄物は各国において異なる法律および取り組みに基づいて扱われていますが、共通して求められるのは、その処理と再利用の効率化です。日本の課題としては、産業廃棄物の減量や食品ロスの削減が挙げられます。国際的な視点でも、日本が持つ循環型社会の構築は、世界各国との協力が必要不可欠です。今後の取り組みが注目されます。

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