千貫石ため池

千貫石ため池

千貫石ため池は、岩手県胆沢郡金ケ崎町千貫石に位置する、豊かな水を湛えるため池です。その貯水容量は516万8000立方メートル、湛水面積は47ヘクタールに及びます。2010年には、農林水産省の「ため池百選」にも選定されました。

歴史

千貫石ため池の歴史は、江戸時代の天和2年（1682年）にまで遡ります。仙台藩主・伊達綱村が、胆沢郡相去村六原の灌漑用水源として築造を命じました。普請奉行は、水沢領主であった伊達宗景が務めました。

築造当初は難工事が続き、毎年堤が決壊するほどの状況でした。そこで、人柱を立てるという悲しい伝説が生まれました。「おいし」という若い女性が、銭千貫で買い取られ、牛と共に人柱として捧げられたと伝えられています。この伝説が、ため池の名前の由来になったと言われています。

元禄4年（1691年）にようやく工事が完成しましたが、安永7年（1778年）には大雨により決壊し、下流に甚大な被害をもたらしました。その後、ため池は長らく放置されることとなりました。

大正時代に入り、1924年（大正13年）に旱魃による水不足を解消するため、耕地整理組合が設立されました。そして、1931年（昭和6年）に改修工事が開始され、1935年（昭和10年）にアースダムとして竣工しました。当時、このアースダムは全国最大規模を誇りました。

その後も、1935年（昭和10年）から「六原模範農村部県営開墾計画のかんがい用水源」増堤工事、1954年（昭和29年）には県営溜池改修事業、1959年（昭和34年）には災害復旧事業、1960年（昭和35年）から1962年（昭和37年）にかけては県営千貫石老朽溜池事業として改修工事が行われました。

1976年（昭和51年）からは、岩手県営千貫石地区灌漑排水事業として、水路改修や堤防波返補強が行われ、1985年（昭和60年）に竣工しました。現在の堤長は247.5m、堤高は30.7mとなっています。

アクセス

千貫石ため池へのアクセスは、以下の通りです。

道路: 岩手県道37号花巻平泉線・千貫石森林公園
路線バス: 北上駅下車後、タクシー

周辺情報

千貫石ため池の周辺には、千貫石温泉や千貫石森林公園などの観光スポットがあります。また、北上市も比較的近い場所に位置しています。

参考文献

岩手県 - いわての農業農村紙芝居. “千貫おいし（金ヶ崎町）”.

関連項目

千貫石温泉
北上市
ため池百選

外部リンク

ため池百選
金ケ崎町・千貫石森林公園
* 岩手中部土地改良区

千貫石ため池は、その歴史と美しい景観から、地域の人々にとって大切な存在です。訪れる際には、ため池の歴史に思いを馳せ、その恵みに感謝するとともに、周辺の自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

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