千鳥屋総本家

千鳥屋総本家株式会社について

千鳥屋総本家株式会社（ちどりやそうほんけ）は、日本の伝統的な製菓業者で、過去に影響力のあった企業の一つです。初めは東京都豊島区にて1964年に創業され、その後いくつかの変遷を経て1982年に株式会社化されました。

企業の成立と成長

千鳥屋は、原田政雄・ツユ夫妻によって創業され、その息子である原田良康が1964年に「東京千鳥屋」を開店しました。この店舗は、千鳥屋の基盤を築く重要な拠点となりました。1992年には「千鳥屋総本家」として法人化され、さらなる発展を遂げることになります。

関東地域を中心に複数の店舗を展開し、消費者に愛される和菓子や洋菓子を提供していました。特に有名だったのは、千鳥饅頭やかすていら、フィナンシェなど、幅広い商品群です。多様な商品ラインナップは、顧客に新しい選択肢を提供するものであり、千鳥屋のブランド価値を高めました。

苦境の始まり

しかし、2012年頃から経営には厳しい状況が訪れます。資金繰りが悪化し、2014年には大口取引先との契約が打ち切られるなど、経営環境はさらに悪化。この影響を受けて、原田良康氏は2016年5月に東京地裁に民事再生法の適用を申請する事態となりました。この際の負債総額は約23億円に達し、債権者はおよそ180名に上りました。

その後、同年6月には新旧分離が行われ、良康氏自身は破産手続きを進め、新たに設立された千鳥屋総本家株式会社へ事業が譲渡されました。この際、良康の娘である原田季和が2代目社長として経営を引き継ぐことになりました。

ジーライオングループとの関係

千鳥屋総本家は神戸に本拠を置くジーライオングループの傘下に入り、その後、商号が変更されました。2016年8月24日には（新）千鳥屋総本家株式会社と改称され、旧社はTB管理株式会社となりました。また、旧社は本社を東京都千代田区丸の内に移転しました。このような法人再編は、企業の再生を図る一環として進行したものです。

しかし、2022年にはジーライオングループが千鳥屋関連事業を廃止し、全店舗が閉鎖される結果となりました。これにより、かつての千鳥屋の名は消えることになります。

現在の状況と影響

原田良康氏は、企業の経営から退いた後、妻である原田万紗子と共に福岡県糸島市に移住し、そこで「千鳥屋糸島別荘」の名称で小規模ながら食品の販売を再開しました。この新しい形態では、千鳥屋の伝統を受け継ぎつつ、地域に根ざした事業を展開しています。

主な商品と工場の状況

千鳥屋が扱っていた主な製品としては、千鳥饅頭やかすていら、丸ボーロ、隅田川などがありました。また、洋菓子においても多くのアイテムが人気を博していましたが、廃業に伴い全ての工場が閉鎖されることになりました。具体的には、駒込工場、川口工場、蕨工場、板橋工場がそれぞれの拠点で操業を行っていましたが、最終的にはこれら全てが閉じられました。

このように、千鳥屋総本家株式会社は日本の製菓業界において重要な役割を果たしてきましたが、経済的な困難により歴史の一部となっています。

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