卍党 (朝鮮)

卍党の歴史と活動

卍党（まんじとう、マンダン）は、朝鮮半島における日本の統治時代に存在した仏教系の秘密結社です。抗日的な性格を持つこの団体は、1920年代に青年僧侶たちの運動が直面した数々の課題から生まれました。特に三・一運動の後、朝鮮の仏教界で新たな展開を求める声が高まる中、卍党が登場したのです。

結成の背景

卍党の組織化は、1930年5月に行われた初回の結社に始まります。この時、イ・ヨンジョ、チョ・ハクユ、金尚昊、金法麟などの僧侶たちが中心となり、彼らの交流を経て結成されました。その後、続いて2次結社、3次結社といった形で、共感する僧侶たちが次々と集まり、卍党の活動を広げていきます。

卍党のリーダーには韓龍雲が指名されました。しかし、その役割についてはさまざまな証言があり、党首としての実態は必ずしも明確ではありません。イ・ヨンジョは、韓龍雲に対し党首としての役割を伝えずに推薦したと主張する一方、朴暎熙は韓龍雲が直接指示したと証言しています。この確証の欠如は、卍党の秘密結社としての特性を象徴しています。

活動内容

卍党の具体的な組織構造や活動内容は詳細にはわかっていませんが、崔凡述の回顧録によると、彼が住職を務めていた多率寺には党員たちが集まる場所としての機能がありました。党員たちは、仏教の普及や教団の革新を目的に活動していたとされています。

卍党はその後、朝鮮仏教青年総同盟（조선불교청년총동맹）という団体を立ち上げ、公開活動へとシフトしていきます。この総同盟において、卍党のメンバーは重要な役割を果たしました。しかし、1932年頃に朝鮮仏教中央教務院との資金問題により、党内での内分が発生し、卍党の活動は次第に停滞することになります。

内部対立と解体

内部対立は激化し、強硬路線を支持する意見と穏健なアプローチを求める意見の間で対立が生じました。この結果、1933年には卍党が解体されることとなります。解体後も一部の党員たちは逆風の中で活動を続けていましたが、1938年の日中戦争が勃発すると、卍党のメンバーが次々と逮捕される事態が発生しました。

これらの活動やその後の展開についての詳細な記録は、尋問調書や裁判記録としては残されていませんが、さまざまな証言が存在しています。卍党は日本統治時代の朝鮮において、仏教界における重要な動きであったことは疑いありません。彼らの活動は、その後の朝鮮の宗教界や抗日運動に影響を与えることとなりました。

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