協和商事

協和商事株式会社：独自の経営戦略で成長を続けるドラッグストアチェーン

協和商事株式会社は、関西と関東の一等地を中心に「オーエスドラッグ」を展開するドラッグストアチェーンです。大阪の難波や梅田、東京の渋谷や新宿など、集客力の高い立地への出店を積極的に行う一方、地方都市の商店街や駅周辺にも店舗を構え、幅広い顧客層を獲得しています。2019年4月時点では59店舗を展開しており、その内訳は関西地方が43店舗、関東地方が16店舗となっています。

独自の経営形態：現場への裁量委任

協和商事の大きな特徴として、本部による統括的な管理システムが存在しない点が挙げられます。社是である「商売人である前に我々は薬屋である。薬屋として胸を張れ」を体現するように、商品の仕入れから販売促進に至るまで、各店舗の社員に大きな裁量が委任されています。これは、現場の状況を的確に把握し、顧客ニーズに迅速に対応するための戦略です。本部は各店舗をサポートする立場に徹し、現場の自主性を尊重することで、柔軟で効率的な経営を実現しています。

ディスカウント戦略と広告戦略

協和商事は、ディスカウント戦略を経営の基本としています。低価格で高品質な商品を提供することで、顧客の利便性と満足度を高めることを目指しています。一方で、チラシや広告などの宣伝活動は一切行っていません。これは、コスト削減による価格競争力の維持と、社員の裁量によるきめ細やかな顧客対応に集中するための戦略と考えられます。徹底したコスト管理と、顧客との直接的な関係構築を重視することで、独自のビジネスモデルを構築しています。

富士薬品グループからの独立

協和商事は2003年に富士薬品の子会社となりましたが、2023年12月に富士薬品の株式譲渡を受け、グループから独立しました。独立後は、これまで培ってきた独自の経営戦略をさらに強化し、さらなる成長を目指していくものと予想されます。

歴史

協和商事株式会社は1965年に設立されました。その後、順調に店舗数を拡大し、1970年には千林店、1988年には東京中野店を開設するなど、積極的な出店戦略を展開しました。2005年には調剤薬局を開設し、事業領域の拡大にも取り組んでいます。これらの歴史を通して、協和商事は常に変化する市場環境に対応し、独自の経営戦略を貫いてきました。

店舗展開

関西
大阪府：梅田、難波、京橋、阿倍野、江坂など27店舗
兵庫県：三宮、元町など12店舗（うち1店舗は調剤専門）
京都府：三条、四条河原町など4店舗

関東
東京都：渋谷、新宿、上野、吉祥寺、立川、町田など12店舗
神奈川県：川崎、横浜、大船
埼玉県：川越

まとめ

協和商事株式会社は、独自の経営戦略と現場重視の姿勢で成長を続けるドラッグストアチェーンです。ディスカウント戦略と広告宣伝の抑制、そして現場への裁量委任という独自のビジネスモデルは、今後のドラッグストア業界に新たな可能性を示唆しています。今後、富士薬品グループからの独立を機に、さらなる発展が期待されます。

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