南京地下鉄

南京地下鉄は、中華人民共和国南京市とその周辺都市圏をカバーする地下鉄システムです。その歴史は1907年の省寧鉄路（京市鉄路）にまで遡りますが、現代的な地下鉄としての運営は2005年 4月10日に1号線が開業したことから始まりました。この開業により、南京は中国本土で6番目に地下鉄を持つ都市となりました。

概要

2024年11月25日現在、南京地下鉄は1号線、2号線、3号線、4号線、5号線南延伸路線、7号線、10号線、S1号線、S3号線、寧滁線(S4)北支線滁州段、S6号線、S7号線、S8号線、S9号線の計14路線が運行しており、総延長は521km、駅数は237駅に達します。

現在も3号線三期目、4号線二期目、5号線北延伸路線、6号線、7号線中段、9号線、10号線東延伸路線、11号線、寧馬線(S2)、寧滁線(S4)北支線南京段、寧揚線(S5)が建設中で、2020年代前半までに順次開業予定です。

沿革

南京の鉄道の歴史は古く、1907年の省寧鉄路にそのルーツを見ることができます。しかし、現代的な地下鉄としての第一歩は、2005年の1号線開業です。その後、路線の延伸や新設が進められ、現在では都市の重要な交通インフラとして機能しています。

運行中の路線

以下に各路線の概要を説明します。

1号線

2005年に一部開業し、その後延伸を重ね、2022年に北延長線が開業。全長45.4km、32駅を有し、所要時間は約75分です。平均速度は約38km/h。

主要駅として、暁荘駅（7号線乗換）、新街口駅（2号線乗換）、南京站駅（3号線乗換）、鼓楼駅（4号線乗換）、安徳門駅（10号線乗換）、南京南站駅（3号線、S1号線、S3号線乗換）があります。市内の中央軸線、中山路、中山南路に沿って、南京站駅、鼓楼、新街口、南京南站駅、江寧大学団地などを結びます。

車両はA型車両6両編成58本が使用されています。設計最高速度は80km/h。運行は全区間（邁皋橋駅 - 中国薬科大学駅）と区間運行（邁皋橋駅 - 河定橋駅）を交互に行っています。

2020年1月末時点で1日あたり約102万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は2.6万人です。特に2019年12月31日には、1日の利用客数が121.2万人と過去最高を記録しました。

2号線

2010年に本線と東延伸線が開業、2021年に西延伸線が完成。全長43.35km、30駅を有し、所要時間は約58分。平均速度は約39km/h。

主要駅として、新街口駅（1号線乗換）、大行宮駅（3号線乗換）、金馬路駅（4号線乗換）、元通駅（10号線乗換）、油坊橋駅（S3号線乗換）があります。河西新都心、新街口、孝陵衛、仙林大学団地などを東西に結びます。

車両はA型車両6両編成35本が使用されています。設計最高速度は80km/h。運行間隔はラッシュ時で4分05秒～4分50秒、それ以外は7分間隔程度です。

2020年1月末時点で1日あたり約92万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は2.42万人です。2019年12月31日には、1日の利用客数が106.9万人と過去最高を記録しました。

3号線

2015年に開業。全長44.9km、29駅を有し、所要時間は約72分。

主要駅として、泰馮路駅（S8号線乗換）、南京站駅（1号線乗換）、鶏鳴寺駅（4号線乗換）、大行宮駅（2号線乗換）、南京南站駅（1号線、S1号線、S3号線乗換）があります。揚子江をトンネルでくぐり、南北を結びます。

車両はA型車両6両編成46本が使用されています。設計最高速度は80km/h。運行は全区間（林場駅 - 秣周東路駅）と区間運行（林場駅 - 勝太西路駅）を交互に行っています。

2019年5月末時点で1日あたり約86万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は1.87万人です。2019年5月1日には、1日の利用客数が106.2万人と過去最高を記録しました。

4号線

2017年1月18日に一期目が開業。全長33.8km、18駅を有し、所要時間は約45分。

主要駅として、鼓楼駅（1号線乗換）、鶏鳴寺駅（3号線乗換）、金馬路駅（2号線乗換）があります。龍江地区から仙林地区までを結びます。

車両はB型車両6両編成29本が使用されています。設計最高速度は100km/h。

2019年3月末時点で1日あたり約21万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.62万人です。2019年3月23日には、1日の利用客数が29.9万人と過去最高を記録しました。

5号線

本線南段は2024年4月より運営開始予定。

7号線

本線北段は2022年12月28日、本線南段は2023年12月28日より運営開始。北段は全長13.84km、10駅、所要時間は約25分。南段は全長10.66km、9駅。

主要駅として、暁荘駅（1号線乗換）、五塘広場駅（3号線乗換）、螺塘路駅（2号線乗換）、永初路駅（S3号線乗換）、中勝駅（10号線乗換）があります。

10号線

2014年7月1日に開業。全長21.6km、14駅を有し、所要時間は約40分。

主要駅として、安徳門駅（1号線乗換）、元通駅（2号線乗換）があります。江北新区から市内南部を結びます。

車両はA型車両6両編成21本が使用されています。設計最高速度は80km/h。

2019年4月末時点で1日あたり約19万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.88万人です。2019年11月1日には、1日の利用客数が24.8万人と過去最高を記録しました。

S1号線 (機場線)

2014年7月1日に開業。全長31.3km、9駅を有し、所要時間は約33分。

主要駅として、南京南駅（1号線、3号線、S3号線乗換）、翔宇路南駅（S9号線乗換）、空港新城江寧駅（S7号線乗換）があります。南京南駅から空港を結びます。

車両はB型車両4両編成15本が使用されています。設計最高速度は100km/h。

2019年5月末時点で1日あたり約9.3万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.3万人です。2019年5月1日には、1日の利用客数が14.5万人と過去最高を記録しました。

S3号線 (寧和線)

2017年12月6日に開業。全長36.22km、19駅を有し、所要時間は約60分。

主要駅として、南京南站駅（1号線、3号線、S1号線乗換）、油坊橋駅（2号線乗換）があります。浦口区から南京南駅を結びます。

車両はB型車両6両編成24本が使用されています。設計最高速度は100km/h。

2019年4月末時点で1日あたり約8.3万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.23万人です。2019年4月4日には、1日の利用客数が10.8万人と過去最高を記録しました。

S4号線 (寧滁線)

本線北支路線滁州段は2023年より運営開始予定。

S6号線 (寧句線)

2021年12月28日に開業。全長43.7km、13駅を有し、所要時間は約40分。

主要駅として、馬群駅（2号線乗換）があります。棲霞区から句容市を結びます。

車両はB型車両4両編成33本が使用されています。設計最高速度は135km/h。

2021年12月末時点で1日あたり約4.98万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.11万人です。2021年12月31日には、1日の利用客数が5.8万人と過去最高を記録しました。

S7号線 (寧溧線)

2018年5月26日に開業。全長30.16km、9駅を有し、所要時間は約40分。

主要駅として、空港新城江寧駅（S1号線乗換）があります。江寧区から溧水区を結びます。

車両はB型車両4両編成11本が使用されています。設計最高速度は100km/h。

2018年6月末時点で1日あたり約1.2万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.03万人です。2018年5月27日には、1日の利用客数が2.6万人と過去最高を記録しました。

S8号線 (寧天線)

2014年8月1日に開業、2022年に南延伸線が完成。全長47.36km、19駅を有し、所要時間は約55分。

主要駅として、泰馮路駅（3号線乗換）があります。揚子江以北に位置する初の路線で、浦口区から六合区を結びます。

車両はB型車両4両編成26本が使用されています。設計最高速度は100km/h。

2018年末時点で1日あたり約12万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.27万人です。2018年4月4日には、1日の利用客数が15.9万人と過去最高を記録しました。

S9号線 (寧高線)

2017年12月30日に開業。全長52.42km、6駅を有し、所要時間は約38分。

主要駅として、翔宇路南駅（S1号線乗換）があります。江寧区から高淳区を結びます。

車両はB型車両3両編成12本が使用されています。設計最高速度は120km/h。

2018年末時点で1日あたり約1.8万人が利用し、1kmあたりの輸送人員は0.19万人です。2018年1月1日には、1日の利用客数が4万人と過去最高を記録しました。

事業中の路線

現在、3号線三期目、4号線二期目、5号線北延伸路線、6号線、7号線中段、9号線、10号線東延伸路線、11号線、寧馬線(S2)、寧滁線(S4)北支線南京段、寧揚線(S5)が建設中で、2020年代前半までに順次開業予定です。

計画中の路線

詳細は不明。

車両

南京地下鉄では、主にA型とB型の車両が使用されています。A型車両は6両編成、B型車両は4両または6両編成です。製造は主に中車南京浦鎮が行っています。

運賃

ICカード利用で5%割引、18歳未満の学生用ICカードは50%割引が適用されます。

乗車方法

自動券売機でIC乗車券（トークン）を購入し、自動改札機から入場します。乗車券は下車時に回収されます。繰り返しチャージして使える「金陵通」や「智匯卡」などの非接触IC型プリペイドカードも利用可能です。

2019年12月25日からは、揚子江デルタの10都市間（上海、南京、杭州、蘇州、無錫、常州、徐州、寧波、温州、合肥）で、QRコード決済による乗車も可能になりました。

旅客案内

車内放送や駅の案内表示など、旅客向けの案内が充実しています。

利用状況

近年の路線別一日平均乗車人員は以下の通りです。

（具体的な数値は省略）

脚注

（省略）

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