南京長江大橋

南京長江大橋

南京長江大橋は、中華人民共和国江蘇省南京市に位置する、長江を跨ぐ重要な交通インフラです。この橋は、自動車道と鉄道の双方を同時に通すことができる併用橋として設計されており、長江の北岸に位置する浦口区と、南岸の鼓楼区を結んでいます。

歴史と背景

建設は1960年に開始され、1968年に完成しました。特筆すべきは、この橋が中国の独自技術によって設計・施工された点です。1950年代に建設された武漢長江大橋がソ連の援助を受けていたのとは対照的に、南京長江大橋は文化大革命中に完成し、中国の自力更生と革命の象徴として広く宣伝されました。このことは、当時の中国が技術的な自立を追求していた背景を反映しています。

構造と規模

道路橋は全長4,589メートル、幅19.5メートルで、長江を跨ぐ主要部分は1,577メートルです。橋は二層構造で、上層が自動車道、下層が鉄道（中国国鉄京滬線）となっています。橋の両端には高さ70メートルの橋頭堡が4つ設けられています。

鉄道橋は全長6,772メートル、幅14メートルで、長江を跨ぐ主要部分は道路橋と同じく1,577メートルです。建設には約10万トンの鋼材と100万トンのセメントが使用され、総費用は2億8千万元に達しました。橋のデザインは、当時の社会主義国家の特徴を反映したものとなっています。

その他の特徴

橋の袂には大橋公園があり、入場料を払えば橋の上までエレベーターで上がることができます。完成当時、南京長江大橋は鉄道と道路の併用橋としては世界最長でした。この橋の開通によって、それまで長江によって分断されていた京滬線が繋がり、北京と上海が鉄道で直結されることになりました。

一方で、橋は川の下流に位置しており、欄干などの安全対策が十分でないため、自殺の名所としても知られています。年間百数十人もの自殺者が発生しているという悲しい現実があります。

関連する橋梁

南京八卦洲長江大橋
南京大勝関長江大橋
南京棲霞山長江大橋
南京江心洲長江大橋
南京新生圩長江大橋
竜潭長江大橋
武漢長江大橋 - ソ連の技術援助によって完成した橋。
九江長江大橋


南京長江大橋は、その歴史的背景、壮大な構造、そして社会的な影響において、中国の重要なランドマークの一つと言えるでしょう。

もう一度検索