南広郡

南広郡は、中国の三国時代から南北朝時代にかけて、現在の雲南省昭通市一帯に設置された郡です。

歴史

最初に南広郡が設置されたのは蜀漢の延熙年間です。この時、南広郡は南広、臨利、常遷、新興の4県を管轄していました。しかし、この南広郡は約9年後に廃止されています。

その後、西晋の懐帝の時代に、朱提郡が分割される形で再び南広郡が立てられました。この南広郡は寧州に属し、郡治は南広県に置かれました。これにより、地域行政の再編が行われたと考えられます。

南北朝時代の南朝宋の時代になると、南広郡は南広、新興、晋昌、常遷の4県を管轄しました。この時期、南広郡は地域における一定の行政単位としての役割を果たしていたことがわかります。

南朝斉の時代にも、南広郡は南広、常遷、晋昌、新興の4県を管轄していました。このことから、南朝宋から南朝斉にかけて、南広郡の管轄地域には大きな変化がなかったことが示唆されます。

南朝梁の時代には、南広県に六同郡が置かれるという変化がありました。これは、南広郡の内部における行政区画の再編、または新たな行政単位の設置を意味する可能性があります。

隋の開皇3年（583年）に、隋朝が郡制を廃止した際、六同郡も廃止され、戎州に編入されました。これにより、南広郡という行政区分は歴史から姿を消すことになりました。

このように、南広郡は三国時代から南北朝時代にかけて設置と廃止を繰り返しながら、雲南省昭通市一帯の地域行政を担ってきました。その管轄県や所属する州の変化は、当時の政治情勢や行政制度の変遷を反映しています。

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