南廻公路

南廻公路は、台湾南部の屏東県楓港と台東県を結ぶ、省道台9線の一部として知られる道路の愛称です。この道路は、日本統治時代の1939年に「楓港台東道」としてその歴史をスタートさせました。戦後、「省道台9線」と改称されましたが、地元では依然として「南廻公路」の名で親しまれています。

南廻公路には、広義と狭義の二つの意味が存在します。広義の南廻公路は、屏東県楓港から台東県馬蘭までの区間を指し、より広い範囲をカバーします。一方、狭義の南廻公路は、屏東県楓港から台東県達仁までの区間を指し、こちらはより限定的な区間を表します。

この道路の建設は1934年に始まり、1939年に完成しました。屏東県楓港の省道台1線および省道台26線との交差点を起点とし、新路、丹路、双流、草埔、寿峠（最高点は標高約500m）、森永、安朔などを経て、台東県達仁の省道台26線との交差点に至る、全長約90kmの自動車道です。南廻公路は、その建設当初から地域の重要な交通路としての役割を果たしてきました。

近年、南廻公路は大規模な改善計画によって大きく進化を遂げました。特に、2車線で慢性的な渋滞が問題となっていた太麻里郷金崙村近辺では、海岸線沿いに4車線化された全長3.5kmの高架橋「金崙大橋」が2017年10月に開通しました。さらに、寿峠を含む県境区間のバイパスも2019年12月23日に開通し、これにより距離にして約20km、時間にして約30分の短縮が実現しました。これらの改善により、南廻公路の交通利便性は大幅に向上し、地域の発展に大きく貢献しています。

南廻公路は、その美しい景観とともに、台湾の交通網において重要な役割を担っています。この道路の歴史と改善の過程は、地域の発展とともに変化してきた台湾のインフラ整備の歴史を物語っています。

参考文献

* 相邀來去台9・山海相隨的475公里 374K～475K南迴公路

出典

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