南朝鮮国防警備隊

南朝鮮国防警備隊の歴史

南朝鮮国防警備隊（みなみちょうせんこくぼうけいびたい）は、1945年にアメリカ軍政庁の統治下で創設された防衛組織であり、後の大韓民国陸軍の基盤となりました。この組織は、アメリカ式の軍隊の設立を目指し、軍事英語学校を開校することから始まりました。

創設の背景

1945年12月5日、アメリカ軍政庁は、朝鮮人の兵士とアメリカ軍人のコミュニケーションを促進し、独自の軍隊の基盤を構築するために「軍事英語学校」を設立しました。この学校には、日本軍や満州国軍の経験者が集まり、彼らの知識が将来の韓国陸軍の基礎となることを期待されました。

竹計画（Bamboo Plan）

アーサー・チャンプニー大佐が提唱した「竹計画」では、南部朝鮮の各道においてアメリカ軍の指揮下に中隊を設立し、段階的に大隊や連隊へと拡大することを計画しました。その結果、最終的には25,000名の兵士から成る8個連隊を編成することを目指しました。さらに、李應俊の提案に基づき、8個連隊ではなく1個師団として編成することに決定が下されました。

組織の発展

1946年1月15日、国防司令部の下に「国防警備隊」が創設され、同年には各地に連隊が設立されました。最初の連隊は泰陵に配備され、さらに国防警備隊司令部が設置されると共に、軍事英語学校も「国防警備士官学校」と改称されました。

調達と装備

当初、国防警備隊は日本軍の武器を使用していましたが、次第にアメリカ軍から供与された最新兵器に切り替わりました。特に、M1ガーランド自動小銃などのアメリカ製の小火器が、組織の装備の大部分を占めるようになりました。初期の装備が日本製のものであった関係で、警察との間には調達や装備に関する摩擦も生じました。

歴史的な出来事

1948年、国防警備隊は済州島で発生した済州島四・三事件の鎮圧に関与しました。これは、韓国の歴史における重要な出来事の一つであり、国防警備隊の活動はその後の大韓民国の政治状況にも大きな影響を与えました。

同年8月15日に大韓民国が成立すると、国防警備隊は9月5日付けで「大韓民国陸軍」に改編されました。これによって、国防警備隊は公式に国家の軍事組織の一部となり、その後の陸軍の形成にも寄与しました。

組織構成

南朝鮮国防警備隊は、軍事局の指揮下に以下の主要な部門を持っていました。

• - 南朝鮮警備隊総司令部
• - 高級副官室
• - 作戦課
• - 調達補給課
• - 人事課
• - 軍事英語学校（後の国防警備士官学校）
• - 第1連隊から第9連隊までの連隊

結論

南朝鮮国防警備隊は、アメリカ軍政庁のもとで設立され、韓国陸軍の母体として重要な役割を果たしました。国防警備隊とその後の活動は、韓国の軍事史において重要な位置を占めており、その影響は今なお続いています。

もう一度検索