南杏子 (小説家)
南 杏子（みなみ きょうこ）
南杏子は、1961年に徳島県徳島市で生まれた日本の小説家であり、同時に内科医としても活躍しています。彼女の作品は、医療や看取りをテーマとしたものが多く、実際の医療現場での経験が色濃く反映されています。
経歴
南杏子は、日本女子大学家政学部を卒業した後、編集プロダクションでの仕事や育児雑誌の編集を行っていました。25歳で結婚し、夫の転勤によりイギリスに移り住み、外国での出産を経験します。帰国後は、乳幼児の病気に関する取材を行い、その経験を経て「もっと知りたい」という思いから医学の道へ進むことを決意します。33歳の時、長女が2歳の頃に東海大学医学部に学士編入し、卒業後は東京都内の大学病院で老年内科の勤務を経て、スイスに移住しました。スイスでは医療福祉互助会の顧問医として活動し、帰国後は終末期医療専門の病院で内科医として勤務しています。
作家への転身
夫の転勤に伴い通い始めた小説教室で、南は小説執筆に興味を持ち始め、著名な作家や講師のもとで実践的に学びました。彼女が作家としてデビューしたのは2016年で、長年の介護経験や多くの死に向き合ってきた医師としての体験を元に、長編小説『サイレント・ブレス』を著します。この作品では、祖父の看取りの経験や終末期にある患者との対話を通じて学び取ったことを、ミステリーの要素を加えて物語にしています。2018年には、モンスターペイシェントをテーマにした『ディア・ペイシェント』を発表し、医師と患者の信頼関係を描いています。
主な作品
南杏子の作品は幅広く、次のような長編小説があります:
- - サイレント・ブレス（2016年）
- - ディア・ペイシェント（2018年）
- - ステージ・ドクター 菜々子が熱くなる瞬間（2019年）
- - ブラックウェルに憧れて（2020年）
- - ヴァイタル・サイン（2021年）
- - アルツ村（2022年）
まほろば診療所シリーズ
このシリーズも人気があり、いくつかの作品が刊行されています:
- - いのちの停車場（2020年）
- - いのちの十字路（2023年）
- - いのちの波止場（2024年）
メディア出演
南杏子は、NHKの「プレミアムトーク」やテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」、「徹子の部屋」といった番組にも出演しており、医療に関する知識や経験を視聴者に伝えています。
まとめ
南杏子は、医療の現場で培った知識と経験を基に、小説作品を通して人々の心に響くメッセージを届けています。彼女の作品は、医療をテーマにしながらも、人生や死、愛などの深いテーマを扱っているため、多くの読者に共感されています。
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