南海C10001形蒸気機関車

南海C10001形蒸気機関車

南海C10001形蒸気機関車は、南海電気鉄道が所有していた蒸気機関車であり、特に1946年から1949年にかけて運行された経歴があります。さらに、本形式専用の付随車であるサハ3801形（初代）についても触れます。

概要

太平洋戦争に伴う戦時統合が行われ、1944年6月1日に近畿日本鉄道難波営業局として運営されていた当時、旧・南海鉄道の路線群は空襲による車両損失や過酷な戦時輸送の影響を受け、稼働車両が著しく減少しました。特に敗戦後は輸送力が深刻に不足し、1946年には石原産業から車軸配置2-6-0(1C)の蒸気機関車3両を購入し、運行を開始しました。これが南海C10001形の始まりです。

来歴

C10001形は、元々中国の海南島における鉱石運搬用に設計され、1944年1月に日本車輌製造本店により製造されました。実際には戦局の悪化により運搬が困難になったため、当初の計画とは異なる運用が行われることになりました。製造された6両のうち、最初の1両は入換車として使用され、残る5両は石原産業に引き取られ、SL391 - SL395として運用されましたが、戦後は放置されました。

その後、近畿日本鉄道がこの形式に注目し、南海線での蒸気機関車運用の実績を元に、3両を譲り受け、高野線向けに運行を開始したのです。

運用開始

1946年5月からは汐見橋駅 - 河内長野駅間の急行列車として運用が開始され、特に朝と夕方に設定されたこの列車は、C10001形によって牽引されました。運行中の保守点検は汐見橋駅を拠点として行われ、1947年には南海と近鉄の分離が成立しましたが、運行は継続されました。しかし、1949年8月には他の車両事情の改善に伴い運行が終了しました。

最後の運命

C10001・C10002は、その後片上鉄道に譲渡されタンク式に改造されました。C10003は近鉄に帰属していたため、1952年に近鉄に戻されたものの、その後の詳細は不明です。譲渡されたC10001・C10002は、1950年代の急速な復興に際して重要な資源を運搬するために、改造を受けて主力機関車として使用されましたが、戦時設計による性能低下や老朽化により1966年に廃車となりました。

サハ3801形（初代）

C10001形が牽引した急行列車の客車には、当初旧・電7系のクハ1801形が代用されていましたが、その後サハ3801形（初代）が使用されるようになりました。この車両は元々山手線（旧・阪和電気鉄道線）のクタ800形であり、南海本線に転属した後、再び旅客列車に活用されました。しかし、急行列車運行終了後は再び用途を失い、1952年には廃車になったとされています。

以上のように、南海C10001形蒸気機関車およびその専用客車サハ3801形は、戦中戦後の日本の鉄道事情の中で重要な役割を果たし、その運用の歴史を通じて多くの変遷を経ていきました。

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