南海ED5151形電気機関車

南海ED5151形電気機関車の詳細

南海ED5151形電気機関車は、1943年から1949年にかけて南海電気鉄道が所有した直流用の電気機関車です。この機関車は東京芝浦電気（現在の東芝）によって製造され、南海型と呼ばれる従来の電気機関車とは異なる特性を持っています。ED5151形は直流1500Vに対応した設計で、これによって架線電圧が600Vの南海本線でも運用できるという特徴を誇っています。

機関車の開発背景と変遷

第二次世界大戦中、南海鉄道は貨物需要の増大により電気機関車の導入を急いでいました。このため、1943年に南海本線での使用を目的として、東京芝浦電気に1両の電気機関車が発注されました。しかし、当時の状況から南海独自の設計ではなく、東芝の標準設計つまり40t標準型が採用され、これがED5151形に分類されることになりました。

当初の計画では新しい機関車は南海本線で使われる予定でしたが、突如として発生した物資輸送の必要から、既存の山手線に配属されることが決定され、形式名もED1151に変更されました。山手線の架線電圧は1500Vであり、本形式がその条件に適合していたため、問題なく運用されました。そして、1944年には山手線が国家に買収され阪和線となり、ED1151は南海に戻され再び南海本線での貨物輸送に活躍することになりました。

増備と改番

輸送ニーズの高まりに伴い、ED5151形は1948年に3両が追加製作されました。しかし、ED5154については三井三池炭鉱に譲渡され、実際には南海の手に渡ることはありませんでした。1949年にはED1151がED5151に改番され、正式にED5151形の一部となりました。その後も1971年には長大編成に対応するために重連対応の改造が施されました。これにより南海の貨物輸送における機能性が向上しました。

近代化と退役

1973年、南海本線の架線電圧の昇圧が実施され、直流600Vから直流1500Vに切り替えられます。この昇圧に対して、ED5151形は本来1500V対応であったため、他の機関車よりも残存の可能性が高いと見なされました。しかし、貨物取り扱いの減少が進み、1977年には天王寺駅発着の貨物列車が廃止されると、ED5151形の3両はすべて余剰となりました。最終的には1978年に全車が廃車となり、長い歴史に幕を下ろしました。

主な諸元

• - 全長: 11,000mm
• - 全幅: 2,880mm（5152と5153号は2,740mm）
• - 全高: 4,100mm
• - 運転整備重量: 40.0t
• - 電気方式: 直流600V
• - 軸配置: B-B
• - 主電動機: MT40形（110kW）×4基
• - 最高速度: 35.0km/h

このように、南海ED5151形電気機関車は時代背景や技術の変遷とともに独自の歴史を刻みました。直流用の電気機関車としてその役割を果たし、南海の発展にも寄与した存在でありました。

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