南砺市立福光西部小学校

南砺市立福光西部小学校

富山県南砺市に、かつて学び舎を構えていた公立の小学校に南砺市立福光西部小学校（なんとしりつ ふくみつせいぶしょうがっこう）がありました。この学校は、昭和の時代に地域の二つの小学校が統合されて誕生し、平成の初めにその役割を終え閉校しています。

概要

福光西部小学校は、1974年（昭和49年）に、地域にあった福光町立砂子谷小学校と福光町立土山小学校が一つになる形で開校しました。学校が新たなスタートを切った当時、94人の児童たちがここで学んでいました。しかし、その後、地域の人口減少に伴って児童数は年々減少し、閉校を迎える直前の2009年（平成21年）には、在籍する児童がわずか23人となっていました。このような児童数の大幅な減少に加え、学校施設の老朽化が進み、校舎の耐震補強に関する問題なども課題となっていました。こうした背景から、福光西部小学校は同じ南砺市内の福光中部小学校に統合されることになり、その歴史に幕を閉じました。

学校が位置していたのは、南砺市の、そして富山県の中でも最も西の端に位置する山間部です。校区は、緑豊かな医王山へと連なる山地に囲まれた地域に広がり、この山並みを隔てて石川県金沢市と隣接していました。このような地理的な特徴から、近隣県の学校との交流も積極的に行われていました。具体的には、石川県金沢市にある金沢市立医王山小学校や金沢市立三谷小学校といった学校と連携し、様々な交流活動を展開していました。これは、県境を越えた学校間連携として注目される取り組みでした。

沿革

福光西部小学校の歩みは、いくつかの重要な段階を経てきました。その始まりは1974年（昭和49年）4月で、先に述べた砂子谷小学校と土山小学校の統合により、福光町立西部小学校として開校しました。

開校からしばらく経った1977年（昭和52年）4月には、学校の名称が福光町立福光西部小学校へと改められました。その後、平成の世に入り、全国的に市町村合併が進む中で、この地域も大きな変化を迎えます。2004年（平成16年）11月、周辺市町村との合併により南砺市が誕生したことに伴い、学校名も南砺市立福光西部小学校と変更されました。

そして、児童数の減少や校舎の問題といった課題が深刻化する中で、2009年（平成21年）4月、福光中部小学校への統合という形で学校はその歴史に終止符を打ちました。閉校後、長年子供たちの学びの場であった校舎は、その年のうちに解体されました。

通学区域と進学先

福光西部小学校は、人母、高窪、砂子谷、湯谷、蔵原、土山、小又、能美といった地域の集落から通学する子供たちを受け入れていました。これらの地域に住む子供たちにとって、この学校は身近な学び舎でした。卒業した児童たちは、主に南砺市立福光中学校へ進学していました。

結び

開校から閉校までの約35年間、福光西部小学校は地域の子供たちの教育を担い、山間部の地域コミュニティにおける大切な役割を果たしました。少子化や過疎化といった社会的な変化の中で姿を消した学校ではありますが、そこで育まれた思い出や学びは、今もなお地域の人々の心の中に大切に残っています。学校の歴史は、地域の歩みそのものであったと言えるでしょう。

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