南薩鉄道記念館

南薩鉄道記念館は、鹿児島県南さつま市に位置する、廃線となった鹿児島交通枕崎線の歴史を伝える鉄道保存展示施設です。この記念館は、かつて加世田駅があった場所に隣接する鹿児島交通加世田バスセンターの敷地内に、1994年（平成6年）に開館しました。

概要

記念館は、加世田駅の跡地の一部である古い石造りの倉庫を利用しており、その内部には、鹿児島交通の鉄道線に関する貴重な資料が多数展示されています。展示されている資料には、現役当時のダイヤグラム、歴史的な写真、鉄道関連の備品、駅名標などが含まれています。特に注目すべきは、伊集院 - 加世田間の建設時に交付された内閣総理大臣西園寺公望名の鉄道営業免許状や、加世田 - 枕崎間の延伸時に交付された鉄道大臣小川平吉名の免許状といった、歴史的な文書の原文です。さらに、鉄道省監督局長からの改正鉄道敷設法上の予定線に関する通知書など、鉄道史を深く理解するための資料も展示されています。

展示室の裏手には、かつて屋根付きの車庫があり、そこには貴重な車両が保存されていました。しかし、駅跡の敷地を利用したショッピングセンターの拡張工事に伴い、現在は車両はバスの整備工場内に移されています。また、バスターミナルのロータリー内には、ディーゼル機関車と蒸気機関車が露天で展示されており、往時の雰囲気を今に伝えています。

営業案内

所在地: 鹿児島県南さつま市加世田武田18605 加世田バスターミナル内

休館日: 毎週水曜日（祝祭日の場合は翌日）、年末年始（12月31日 - 1月1日）。ただし、夏休み期間中は毎日開館しています。

開館時間:
6月 - 8月: 10:00 - 18:00
それ以外: 10:00 - 17:00

入館料:
大人（中学生以上）: 200円
小人（小学生）: 100円
* 幼児: 無料



注意点:

記念館は普段は閉鎖されており、見学を希望する場合はバスターミナルの職員に依頼して開けてもらう必要があります。また、日曜日は職員が不在の場合があるので、注意が必要です。

南薩鉄道記念館は、鉄道の歴史と文化を伝える貴重な施設であり、鉄道ファンはもちろん、歴史や文化に興味のある方にとっても訪れる価値のある場所です。かつての鉄道の面影を感じながら、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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