南部山岳州 (パプアニューギニア)

パプアニューギニアという国の中央部に広がる山岳地帯に位置するのが、南部山岳州（Southern Highlands Province）です。この州は、ニューギニア島の内陸部に広がる広大な山脈地帯の一部を形成しており、その地理的な特徴が地域社会のあり方に大きな影響を与えています。

この州の行政および経済の中心地は、州都であるメンディに置かれています。メンディは、州内の交通や物流の拠点としても機能しており、周辺地域から多くの人々が集まる場所となっています。州全体の面積は23,800平方キロメートルに及び、これはパプアニューギニア国内でも比較的大きな面積を持つ州の一つであることを示しています。

人口に関しては、2011年に実施された政府による国勢調査によれば、この州には51万245人が居住していました。この数字は、当時のパプアニューギニア国内において最も人口が多い州の一つであることを意味しており、広大な土地に加えて、比較的人口密度が高い地域であるという特徴も持っています。多くの人々がこの地に暮らし、独自の文化や生活様式を育んでいます。

南部山岳州の行政区画は、比較的最近になって変化を経験しました。2012年5月17日、これまで南部山岳州の一部であった北部の3つの行政地区が分離し、新たにヘラ州として独立した州となりました。この州の分離は、地域の政治的・社会的な構造に変化をもたらしましたが、南部山岳州自体もなお広範な領域と多数の人口を擁する重要な州であり続けています。

この地域に暮らす住民たちの文化的な特徴の一つとして、言語の多様性が挙げられます。多くの異なる言語が日常的に使用されており、その大部分はトランスニューギニア語族という広範な語族に属しています。具体的には、エンガ語派に分類されるフリ語、Angal語、Kewa語などが話されているほか、チンブ・ワギ語派に属するKaugel語なども使用されています。これらの多様な言語は、それぞれの地域社会が持つ固有の歴史や文化を反映しており、南部山岳州の豊かな人文的景観を形成しています。

総じて、南部山岳州はパプアニューギニアの中央山岳地帯という地理的に挑戦的な環境にありながら、多くの人々が暮らし、独自の文化と歴史を持つ、国内でも特に重要な州の一つと言えるでしょう。州都メンディを中心とした行政機能、国内最大級の人口規模、そして多様な言語背景を持つ住民構成など、多角的な側面からこの州の特性を理解することができます。

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