南部橋 (富士川)

南部橋について

南部橋（なんぶはし）は、山梨県南巨摩郡南部町にある富士川に架かる大切な橋です。この橋は旧南部町の栄地区と睦合地区を結ぶ唯一の交通路であり、地域の人々にとって欠かせない存在となっています。

橋の歴史

南部橋の建設は1932年（昭和7年）に始まり、当初は木橋として架設されました。それ以前、両地区の人々は渡し船を利用して行き来していましたが、身延線の最寄り駅である内船駅が開通すると、橋の建設が求められるようになりました。この初代の木橋は、「仮橋」として架設されたため、橋脚が低く設計されていました。

残念ながら、当時の富士川は大雨による急流で知られており、木造の仮橋は流出してしまうことが多くありました。そこで1941年（昭和16年）には、永久的な橋が彼に架けられましたが、太平洋戦争の影響を受けて鉄材が不足し、再び木造の橋となりました。この橋も1948年（昭和23年）に大きな被害を受け、その後1950年（昭和25年）から1957年（昭和32年）にかけて鋼鉄製のトラス橋に架け替えられました。

この鋼鉄製の南部橋は、1959年（昭和34年）に一度流失しましたが、翌年には再度架設され、以降大きな破損はありませんでした。しかし、21世紀に入ると橋脚部分に老朽化が見られ、交通の利便性を考えた場合、さらなる改修が必要とされました。

新橋の開通と旧橋の解体

特に、旧橋は幅が狭く、重量制限が設けられていたため、交通の妨げになっていました。そのため、460m下流に新たな桁橋が2003年（平成15年）に工事が始まり、2011年（平成23年）8月4日に開通しました。新橋の開通によって旧橋は使用されなくなり、その後解体されました。

南部橋の活動とイベント

南部橋は地域のコミュニティにとって重要な役割を果たしています。毎年8月15日には南部の火祭りが開催され、内船駅からメイン会場までの唯一のルートとして利用され、多くの人々で賑わいます。なお、花火打ち上げの際には視界が開けているため、橋の上での観覧に際して安全上の理由から通行制限が設けられることもあります。

メディアでの登場

また、テレビアニメ『ゆるキャン△』の第一話のエンディングにおいて、主要キャラクターが自転車で南部橋を渡るシーンが描かれています。このシーンでは、南部地区と内船地区の風景も映し出され、地域の魅力が伝えられています。

まとめ

南部橋はその歴史的な価値と地域のイベントとの関わりで、南部町の文化に深く根ざしています。これからもこの橋が地域の人々にとって重要な存在であり続けることでしょう。

もう一度検索