単品管理

単品管理は、主に小売業界で用いられる商品管理の手法の一つです。これは、商品を個々の単位で管理することを指し、対照的な概念として部門管理があります。

従来、特にコンピュータが普及する以前は、多種多様な商品を個別に管理することは非常に煩雑な作業でした。そのため、小売業では商品を「調味料」や「乾麺」といった部門ごとにまとめて管理するのが一般的でした。例えば、スーパーマーケットでは、これらの部門単位で棚卸や利益計算が行われていました。もちろん、個々の商品の補充は在庫状況に応じて行われていましたが、財務や経理上の管理は部門ごとに行われていたのです。

しかし、コンピュータ技術の発展に伴い、個々の商品、すなわち「単品」ごとの管理が可能になりました。この「単品」とは、一般的に「SKU（Stock Keeping Unit）」と呼ばれる最小管理単位を指します。例えば、同じデザインのシャツでも、サイズや色が異なれば、それぞれ別のSKUとして扱われます。具体的には、ある店舗で扱っているシャツが、デザインと色は同じでもサイズがS、M、L、XLの4種類ある場合、またはサイズはMのみで色が赤、青、白、緑の4種類ある場合、どちらの場合も「1アイテム4SKU」と数えます。このSKUを基本として、各商品を単品で管理することで、より詳細な在庫管理や売れ筋の分析、利益計算などが可能になりました。

単品管理の導入により、小売業は以下のようなメリットを享受できるようになりました。

正確な在庫把握: 個々の商品の在庫数を正確に把握することで、欠品や過剰在庫を減らすことができます。
売れ筋商品の特定: 各商品の売れ行きを詳細に分析することで、売れ筋商品を特定し、効果的な販売戦略を立てることができます。
精度の高い利益計算: 個々の商品の売上や原価を正確に把握することで、より正確な利益計算を行うことができます。
顧客ニーズへの対応: 売れ筋商品を把握することで、顧客のニーズに合った品揃えを実現することができます。

このように、単品管理は、小売業における効率的な商品管理、顧客満足度の向上に不可欠な手法となっています。

関連用語としては、以下のものがあります。

SKU（Stock Keeping Unit）: 在庫管理の最小単位。商品コードやJANコードなど、商品を特定するための識別子。
部門管理: 商品を部門ごとにまとめて管理する手法。単品管理の対義語。
在庫: 企業が保有する商品のこと。単品管理では、個々の商品の在庫を正確に把握することが重要となる。
在庫管理: 在庫を最適化するための活動。単品管理はそのための有効な手法の一つ。


また、単品管理に関連する人物や団体として、鈴木敏文氏（セブン-イレブン・ジャパン創業者）や日本経営学会などが挙げられます。

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