単相2線式

単相2線式（たんそうにせんしき）

単相2線式とは、単相交流電力を供給するための低圧配電方式です。この方法では、電圧線1本と接地されている無電圧の線1本、合わせて2本の電線またはケーブルが使用されます。一般には「単二」や「単2」と称されることもあります。

特徴

この配電方式では、交流電源に対して電圧線と接地線の2本を接続します。単相3線式と比較すると、同等の電力を送るためには必要な電線の質量が多くなるため、単相2線式は主に非常に小さな容量の構内配線や引き込み線に限定して利用されています。これにより、特定の用途や設置環境において、実用性に優れた選択肢となっています。

採用例

日本では、19世紀末の明治20年代から、東京電灯や大阪電灯が交流配電を開始しました。この時代、動力には3kVの三相3線式が使用されていましたが、照明については2kVの単相2線式が採用されていました。1980年代までは多くの家庭においてこの方式が一般的でしたが、引き込み電流が最大30Aに制限されていたため、1990年代以降の家庭ではより大容量の単相3線式が選ばれることが多くなっています。

アメリカでは、一般の需要家には単相3線式が広く普及していますが、一部の家庭では120Vの単相2線式も利用されています。特にアメリカの一部地域では、住宅の電力供給において単相2線式が採用されており、便利な選択肢として機能しています。

また、ベトナムにおいても単相2線式が採用されており、配電電圧は50Hzの220Vまたは380Vで、単相2線式または三相4線式の受電方式が用いられています。このように、単相2線式は国や地域によって異なる電力供給システムの中で重要な役割を果たしています。

まとめ

単相2線式は、特に小容量の電力供給に最適な低圧配電方式として、歴史的に日本やアメリカ、ベトナムなどで利用されています。この配電方式は、交流電源に対する接続方法がシンプルであるため、特定の用途や環境に応じての高い適応性を持つことから、今日でも多くの現場で見られます。

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