博多・カマチ杯

博多・カマチ杯：幻の女流囲碁棋戦

博多・カマチ杯は、2019年に日本棋院によって創設された女流棋士を対象とした囲碁の棋戦です。正式名称は「博多・カマチ杯 女流オープン戦」といい、日本棋院および関西棋院に所属する女流棋士によって優勝が争われる予定でした。

しかし、記念すべき第1回大会が2020年に開催されたものの、協賛のカマチグループが、休止されていた女流名人戦への協賛に方針を転換したため、本棋戦は第1回をもって終了という、短い歴史に幕を閉じることとなりました。

大会方式

本戦は、16名によるトーナメント形式で優勝者を決定します。シード棋士として、女流タイトルホルダーやランキング上位者が優遇され、さらにワイルドカードによる出場枠も設けられていました。

第1回大会では、タイトルホルダー2名とランキング上位棋士3名が本戦シードとなり、予選枠は、日本棋院東京本院が6枠、中部・関西総本部が計2枠、関西棋院が2枠となっていました。また、ワイルドカード枠では台湾棋院所属の黒嘉嘉六段が出場し、日本国外の棋士が日本の棋戦に出場するという初の試みとして注目を集めました。

本戦トーナメントの1・2回戦は2月に開催され、準決勝および決勝戦は福岡市で4月に開催される予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、一度は6月に延期、その後さらに延期され10月の開催となりました。

持ち時間は、予選が1時間、本戦が2時間で、残り5分からは秒読みとなります。コミは6目半です。

第1回大会の結果

第1回大会の決勝戦は、藤沢里菜女流本因坊と上野愛咲美女流棋聖という、当時の女流棋界を代表する2人によって争われました。結果は、藤沢里菜女流本因坊が勝利し、初代博多・カマチ杯の覇者となりました。

優勝: 藤沢里菜
準優勝: 上野愛咲美

脚注

幻となってしまった博多・カマチ杯ですが、初の試みとして海外棋士の参加を認めるなど、女流囲碁界に新たな風を吹き込もうとした意欲的な棋戦でした。その短い歴史は、記憶されるべきでしょう。

外部リンク

日本棋院 博多・カマチ杯

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