卜部敏男

卜部敏男（うらべ としお）は、1912年に生まれ、2003年2月8日に90歳で亡くなった日本の外交官です。北海道出身で、東京帝国大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。

外務省では、連絡調整中央事務局第二部調整課長、法制課長、アジア局第三課長などを歴任し、1955年には在マニラ在外事務所所長代理（参事官）としてフィリピンに赴任。翌年には駐フィリピン臨時代理大使を務めました。その後、1957年には国際連合日本政府代表部参事官、1961年には外務省アジア局外務参事官、1963年には外務省アジア局賠償部長を歴任。

1964年からは大使としてのキャリアをスタートさせ、外務大臣官房審議官を経て、駐ケニア兼ウガンダ特命全権大使に就任しました。その後も、駐ケニア兼タンザニア兼ウガンダ兼ザンビア特命全権大使、駐ケニア兼タンザニア兼ウガンダ兼マラウイ兼ザンビア特命全権大使として、アフリカ諸国との外交関係強化に尽力しました。1968年には駐ハンガリー特命全権大使、1969年には再び駐フィリピン特命全権大使として活躍しました。

1974年には、交流協会台北事務所代表に就任し、台湾との関係維持・発展に貢献しました。退官後も、1983年に初代日本マラウイ協会会長に就任するなど、国際交流に積極的に関わりました。また、日本シルバーボランティアズ理事長も務め、社会貢献活動にも熱心でした。

2003年2月8日、心不全のため逝去。享年90歳でした。

卜部敏男の息子である卜部敏直も、父と同じく外交官として活躍し、駐フィリピン特命全権大使を務めました。親子二代で同じ国の大使を務めたことは、特筆すべき事例と言えるでしょう。

著書として、『英國の勞働黨』（1946年）、『英國の民主政治』（1947年）、『ファジー日本と新ルネッサンス』（1990年）があり、外交官としての知見や社会に対する考察をまとめた著作を残しています。

卜部敏男は、外交官として国際社会で活躍する傍ら、著書を通じて社会への問題提起を行うなど、多才な人物でした。その功績は、今もなお語り継がれています。

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