原みつるとエリートメン

原みつるとエリートメン

原みつるとエリートメン（英語表記: Mitsuru Hara & The Elite Men）は、日本のポピュラー音楽史において、短期間ながら活動したコーラスグループ、およびボサノヴァバンドです。

グループの歩み

このグループは、1970年6月に日本のレコード会社、日本コロムビア（現在のコロムビアミュージックエンタテインメント）からシングルレコードをリリースし、音楽界に登場しました。デビュー曲は、高尾一利氏が作詞、大平秀夫氏が作曲、池田孝氏が編曲を手がけた『ここは東京六本木』でした。シングルのB面には、大平秀夫氏が作詞・作曲、池田孝氏が編曲を担当した『酔わせて』が収録されていました。

メンバー構成と経歴

グループを率いたリーダーの原みつる氏は、実はシンガーソングライターとして知られる平田満氏と同一人物です。平田満名義では、本グループ結成前の1968年に、木立じゅん氏のヒット曲『484のブルース』で作詞・作曲を手がけるなど、すでにソングライターとしての実績がありました。原みつるとエリートメンとしての活動を終えた後、原氏はすぐさま新たな音楽ユニットでの活動を開始します。1971年7月には、キングレコードより原みつるとシャネル・ファイブとして再デビュー。さらに1976年には、自身の名義である平田満として、同じくキングレコードからソロシンガーとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。

他のメンバーとして確認されているのは、大平次郎氏、榊原三郎氏、小出四郎氏です。彼らは、デビューシングルのジャケットに記載された担当パートとして、それぞれリード・ヴォーカル（大平次郎）、エレクトーン（榊原三郎）、ドラムス（小出四郎）を務めていました。リーダーの原みつる氏はリード・ギターを担当していました。特徴的なのは、メンバーにナンバー制のような芸名が用いられていた点です。

メンバーのうち、大平次郎氏はデビューシングルの楽曲制作に関わった大平秀夫氏と同一人物です。大平氏はその後、小出四郎氏（本名：小出誠氏）と共に、ラテン音楽のデュオユニット「ドス・アセス」を結成し、活動を展開しました。一方、榊原三郎氏に関するその後の詳しい活動や情報は、現時点では明らかになっていません。

ディスコグラフィーと音源

公式にリリースが確認されている音源は、1970年6月に日本コロムビアから発売されたシングルレコード『ここは東京六本木』のみです。

シングル『ここは東京六本木』 （1970年6月、日本コロムビア LL-10140 -J）
A面：ここは東京六本木 （作詞：高尾一利、作曲：大平秀夫、編曲：池田孝）
* B面：酔わせて （作詞・作曲：大平秀夫、編曲：池田孝）

このデビューシングル以外のレコードやアルバムがリリースされたかどうかは不明です。また、活動期間が比較的短かったためか、2010年9月の時点で、このグループの楽曲がCDなどのデジタル媒体で再リリースされたり、入手可能になったりしているという情報はありませんでした。

原みつるとエリートメンは、短命ながらも後の原みつる（平田満）氏の多様な音楽活動への繋がりを示唆する、日本のグループサウンズや歌謡曲の時代に登場したユニークなグループと言えるでしょう。

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