原不動滝

原不動滝は、兵庫県宍粟市波賀町原に位置する、日本の滝百選に選ばれた名瀑です。氷ノ山後山那岐山国定公園を代表する景勝地の一つであり、その美しさは1969年発行の国定公園シリーズ切手の図案にも採用されました。

滝は、揖保川の支流である引原川のさらに支流、八丈川の流域にあります。竹呂山を源流とするこの川は、落差88mのダイナミックな滝を作り出しています。滝は3段に分かれて落下する男滝と、その最下段の滝壺で合流する女滝から構成されています。男滝の力強さと女滝の優美さが織りなす景観は、訪れる人々を魅了します。

滝を観賞するための吊り橋「奥かえで橋」が架けられており、ここからは滝全体を見渡すことができます。また、駐車場から滝へと続く遊歩道の中には、滝の名前の由来となった「不動堂」があります。この不動堂は、滝の神聖さを物語る存在です。

原不動滝の周辺は波賀不動滝公園として整備されており、原不動滝森林公園として「ひょうごの森百選」にも選定されています。公園内にはモミの針葉樹やブナ、モミジなどの落葉樹が生い茂り、特に秋の紅葉は見事です。かつては宿泊・温泉施設「楓香荘」がありましたが、2020年に閉館しました。しかし、現在もキャンプ場などの施設が利用できます。

交通アクセスとしては、公共交通機関を利用する場合、JR姫路駅から神姫バス山崎行きに乗車し、終点で下車します。その後、神姫バス原または戸倉行きに乗り換え、「原」停留所で下車し、徒歩約30分です。4月から11月の土日祝日には、山崎から楓香荘行きの神姫バスも運行しており、そこから徒歩10分で滝に到着できます。車の場合、国道29号沿いの「道の駅はが」から約100m北の分岐を西に進み、約0.8kmで駐車場に着きます。駐車場からは徒歩約10分です。

周辺には、波賀城や音水渓谷、赤西渓谷、天滝渓谷、瀞川渓谷、瀞川平、猿尾滝などの観光スポットがあります。これらの場所と合わせて訪れることで、宍粟市の豊かな自然をより深く堪能できます。

原不動滝は、その美しい景観と周辺の自然環境が調和した、訪れる価値のある場所です。日本の滝百選に選ばれた名瀑をぜひ一度訪れてみてください。

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