原俊夫

原俊夫：現代美術を彩る実業家の軌跡

原俊夫氏は、1935年東京生まれの実業家であり、現代美術界に多大な貢献を果たした人物として知られています。著名な実業家一族の出身である原氏は、学習院大学政経学部卒業後、アメリカ・プリンストン大学に留学。美学、美術史、そして博物館経営論を修め、幅広い知識と国際的な視野を養いました。

帰国後、家業である日本土地山林などの企業経営に携わる傍ら、原氏の生涯に大きな影響を与える出来事が起こります。デンマークのルイジアナ美術館を訪れた経験がきっかけとなり、1979年、祖父である原邦造氏の私邸を現代美術専門の美術館として開放。それが、現在も日本の現代美術を牽引する存在である原美術館の始まりです。当時、日本で現代美術専門の美術館は珍しかったため、この開館は画期的でした。

原美術館の開館は、原氏の現代美術に対する情熱と、先見性を示す出来事でした。その後も原氏の活動は留まることを知りません。1988年には、群馬県渋川市の伊香保グリーン牧場内に、原美術館別館としてハラミュージアムアークを開館。多様な現代美術作品を展示する場をさらに拡大しました。

原美術館とハラミュージアムアークは、国内外のアーティストの作品を展示するだけでなく、ワークショップや講演会などのイベントも開催。現代美術への理解を深め、普及させる活動にも積極的に取り組んできました。これらの活動は、日本の現代美術界に大きな影響を与え、発展に貢献しました。

原氏の功績は国内にとどまりません。長年に渡る現代美術界への貢献、特にフランスのアーティストや関係機関との緊密な関係構築が評価され、2017年にはフランス政府よりレジオン・ドヌール勲章オフィシエを受章。これは、日本の現代美術界における原氏の地位と影響力の高さを示す大きな栄誉となりました。

2018年6月、原美術館とハラミュージアムアークの館長を退任しましたが、両館の運営母体である公益財団法人アルカンシェール美術財団の理事長に就任。現在も理事長として、美術界の発展に尽力しています。

原俊夫氏の活動は、単なる美術館の運営にとどまりません。企業経営者としての経験と、深い美術への造詣を活かし、現代美術の普及と発展に大きく貢献しました。彼の情熱と先見性は、日本の現代美術史に大きな足跡を残し、後世に長く語り継がれることでしょう。 原美術館、そしてハラミュージアムアークは、彼の功績を体現する空間として、これからも多くの人々を魅了し続けるに違いありません。 その活動は、現代美術を愛する人々にとって、常に刺激と感動を与え続けるでしょう。

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