原型 (雄型)

原型（げんがた）について

原型とは、製品の製造プロセスにおける初期段階で使用される型のことを指します。特に、鋳造やプレス加工などの分野で活用され、製品とほぼ同じ形状を持つもので、正確には原型模型と呼ばれています。フィギュアなどの場合には「げんけい」という読み方もされます。

原型を基にして、製品の反転した形を持つ雌型が作られ、この雌型から最終的な製品が製造されます。この間の工程は通常、原型→雌型→製品という流れですが、特定の製造方法では原型から雌型、さらに雄型を介して再度雌型を作り、最終的な製品に至る場合もあります。このようなプロセスは、特にレコードなどに見られます。

原型は製品の形状に関して非常に近いですが、鋳造プロセスにおいては固化時に素材が収縮することもあります。そのため、鋳造品は原型よりも若干小さくなることがあるため、製造時には伸尺と呼ばれる指標を元に、あらかじめサイズを大きくする工夫が施されます。一般的には、一つの原型から一つもしくは少数の雌型が作成され、そこで生産される製品は大量に加工されます。しかし特定の技法、砂型などでは原型と雌型が一度しか使われず、その際には通常一つだけの製品が作られます。このようなケースの一例として大仏の製作があります。

原型素材の選定

原型として使用される素材は、最終的な製品分と違い、耐久性を求める必要がないため、柔らかく加工が容易なものが選ばれます。このような特性を持つため、原型制作には様々な素材が利用されています。具体例としては、土粘土、油粘土、インダストリアルクレイ、木材、合成木材、ろう（ワックス）、発泡スチロール、発泡ウレタン、さらには針金などが挙げられます。

また、原型は必ずしも新たに作成されるものだけではなく、既存の人体や生物をそのまま利用することもあります。この場合には、現型（げんがた）という用語が使用されます。

土粘土は原型を作る際に最も一般的に用いられる素材であり、その柔らかさや成形のしやすさから、高い人気を誇る選択肢です。油粘土も柔軟性があり、再利用が可能なことから、デザイナーやアーティストに好まれる素材です。

一方、インダストリアルクレイなどの特殊な粘土は、商業的な用途にも耐え得る強度を兼ね備えており、より精密な原型を作成する際に使われます。木材や合成木材は、より堅牢な原型を必要とする場合に重宝され、工芸品や大型の模型に適した素材です。

ろう（ワックス）は、細部の表現が求められる際に用いられ、発泡スチロールや発泡ウレタンなどの軽量素材は、形状の作成を容易にし、計量を気にすることなく作品をつくりあげることが可能です。

これらの素材の選択は、作成する製品の性質や求められる精度、耐久性によって異なるため、その効果的な使い分けが重要となります。

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