原子公平

原子公平は、1919年9月14日に北海道小樽市で生まれ、2004年7月18日に84歳で亡くなった俳人です。旧制第三高等学校を経て東京大学文学部を卒業後、岩波書店や小学館に勤務しました。

俳句は、三高時代に「馬酔木」に投句したのがきっかけで始め、その後、加藤楸邨に師事し「寒雷」の同人となりました。1946年には、澤木欣一、細見綾子らとともに「風」を創刊し、社会性俳句を推進しました。特に、1955年に発表した「山本健吉の時評」は、社会性俳句論争のきっかけとなりました。

1952年からは現代俳句協会の幹事を務め、1953年には「萬緑」同人となりましたが、1962年に退会し「海程」同人となりました。また、「秋」にも同人として参加しました。1973年には、自ら「風涛」を創刊し、主宰を務めました。2000年には、長年の俳句界への貢献が認められ、現代俳句協会大賞を受賞しています。

原子公平の俳句は、社会への鋭い視点と、独自の感性が特徴です。句集には『浚渫船』『良酔』『海は恋人』などがあり、評論集には『俳句変革の視点』などがあります。

主な活動

1946年：「風」創刊
1952年：現代俳句協会幹事
1953年：「萬緑」同人
1962年：「海程」同人
1973年：「風涛」創刊、主宰
2000年：現代俳句協会大賞受賞

代表的な句集

『浚渫船』
『良酔』
『海は恋人』

代表的な評論集

『俳句変革の視点』

原子公平は、戦後俳句の変革期において、社会性俳句を提唱し、俳句界に大きな足跡を残しました。彼の作品は、今もなお多くの人に読まれ、愛されています。

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