原子力供給国グループ

原子力供給国グループ（Nuclear Suppliers Group：NSG）

原子力供給国グループ（NSG）は、核拡散防止を目的に設立された国家の団体であり、核技術やその関連設備の輸出を規制するための国際的なフレームワークです。特に、核兵器の拡散を防ぐために、各国が協力し合うことを重視しています。

沿革

NSGの起源は、1974年のインドによる核実験にあります。この実験により、原子力技術が核兵器に転用されるリスクが明らかになりました。これを受けて、核不拡散条約(NPT)に署名した国々は、原子力技術の輸出に対する制限が必要であるとの合意に達しました。

その後、1975年から1978年にかけてロンドンにおいて初のNSG会合が行われました。この会合では、原子力技術を輸出する際のガイドラインが策定され、IAEAによってINFCIRC/254として公表されました。このガイドラインでは、特定の品目が兵器転用されないことが確認された場合のみ輸出を許可するとされました。

しかし、1991年まで大きな進展はなく、トリガーリストの更新も行われませんでした。湾岸戦争を通じて、両用品（民需品が軍需品として転用される可能性のあるもの）が問題視されたため、加盟国はその制限強化に迫られました。その結果、1987年以来の会合がハーグで開かれ、加盟国は「両用品リスト」を1992年に発表することとなります。

加盟国

NSGは設立当初、カナダ、旧西ドイツ、フランス、日本、旧ソ連、イギリス、アメリカの7カ国から始まりました。その後、2004年には中国も加盟国に加わり、現在では48カ国が加盟しています。加盟国には、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、日本、ロシア、アメリカなどが含まれます。

インドの特例

2006年7月、[アメリカ合衆国]]議会はインドとの民生用原子力取引を可能にする法改正を行いました。これに基づき、2008年に開催されたNSGの会議ではインドに関する特例が提案されましたが、一部の加盟国が条件不備を指摘し合意には至りませんでした。しかし、その後の会議で、核拡散防止条約]に調印していない国との貿易禁止の規則から[[インドを無条件で例外とすることに合意が得られました。この決定は、アメリカの大きな後押しのもとに成立しました。

このように、NSGは国際的な核管理の枠組みとして重要な役割を果たしており、加盟国は核技術の不適切な拡散を防ぐために努力を続けています。

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