原子力工業省

北朝鮮原子力工業省の詳細解説

原子力工業省は、北朝鮮の核開発を主導する重要な行政機関です。本稿では、その設立経緯、目的、活動内容、国際的な位置づけについて詳しく解説します。

設立の背景

2013年3月31日、朝鮮労働党中央委員会全員会議において、「経済・核武力建設の並進路線」が採択されました。これは、経済発展と核兵器開発を同時に推進するという北朝鮮の国家戦略を示すものです。この路線に基づき、翌日の最高人民会議第12期第7回会議で関連法案が制定され、原子力工業省の設立が決定されました。

それまで原子力関連政策を担当していたのは内閣傘下の原子力総局でしたが、原子力工業省の設置に伴い、原子力総局は拡大・改編されました。2013年4月11日、最高人民会議常任委員会の政令により、原子力工業省の設置が正式に発表されました。

目的と役割

朝鮮中央通信社の報道によると、原子力工業省の設置目的は、「国の原子力工業を近代化・科学化して最先端科学技術の土台の上に確固として築き上げ、核物質の生産を増やし製品の質を高め自立的な核動力工業を一層発展させる目的」とされています。つまり、核兵器開発に必要な核物質の生産能力向上と、自立的な核動力工業の発展が主な目的です。

原子力工業省は、核実験の実施や核施設の管理など、核開発に関する幅広い活動を担っていると考えられています。また、国際的な情報によれば、寧辺（ニョンビョン）にある核施設の運営にも深く関与していると見られています。

国際的な制裁

原子力工業省は、2016年1月の核実験を主導した機関として、国際社会から厳しい制裁を受けています。同年3月2日に国連安全保障理事会で採択された国際連合安全保障理事会決議2270によって、制裁対象に指定されました。この制裁により、原子力工業省は国際的な金融取引や資産凍結などの制限を受けています。

まとめ

原子力工業省は、北朝鮮の核開発戦略の中核を担う組織であり、その動向は国際社会の安全保障に大きな影響を与えます。設立の背景、目的、活動内容、そして国際的な制裁状況を理解することは、北朝鮮情勢を分析する上で不可欠です。

歴代原子力工業相

* 歴代原子力工業相の情報は、現在のところ公開されていません。

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